白坂和哉デイウォッチ

自民党議員には1年に6回『給付金200万円』が税金から支給される!

Introduction:みなさ~ん!給付金10万円は支給されましたか~!?
筆者は何週間前か忘れてしまいましたが、申請しても全く支給されておりません!
しかし、自民党の衆参両議院には既に『給付金200万円』が支給されているとか!?──何ですかこれ? そして、この圧倒的スピード感は!?
政治家とは実に儲かる稼業です。しかも、これらのお金はもちろん!私たちも税金から支給されています。

政党交付金とは何ぞや?

いやね、これはいつも支給しているお金を、今年はたまたま早く支給しただけなんですが・・・

安倍首相はこのような言い訳をするかもしれませんが、実に腹立たしい話です。

安倍首相が緊急事態宣言を解除した5月25日の翌日、自民党の衆参両議員に一律「200万円」が支給されたというから驚きです。一体これはどのような類のお金なのでしょうか?

実は、この自民党が支給した200万円は「政党交付金」から支払われたものです。

「政党交付金」とは、政治活動を支援する目的で国庫から交付される資金で、一定の条件を満たした政党に対して支払われます。そして、政党交付金の総額は国勢調査の人口に「250円」を乗じた数値から算定されます。つまり、国民一人あたり250円の「税金」から支払われるお金なのです。

自民党には「172億円」も支給されている!

ちなみに、2020年度の自民党に支給される政党交付金は「172億6136万円」で、もちろん政党の中で首位となっており、政党交付金の全額317憶7268万円の中で実に「54%」を占めています。

国から政党への政党交付金の振り込みは、年4回に分けて行われます(4月、7月、10月、12月)
自民党ではこれに合わせ「年4回の定期支給」として、衆参両議員に200万円が支給され、さらに6月と12月にも同様に支給されていることが分かりました。

つまり、自民党の議員は200万円が1年間に6回、「合計1200万円」ものお金が政党交付金から支給されているのです。

だから安倍首相は、これは臨時ボーナスではなく、いつも支給しているお金だと言い訳をしているのです。

「身を切るフリ」をする政治家

思い出して欲しいのですが、今回の新型コロナ禍によって国会議員の給料は5月から1年間、2割削減(月26万円 ⇒ 年間312万円)されたはずです。

ところが実際は、政党交付金から年額1200万ものお金が支給されているので、結局のところ政治家サイドとしては痛くも痒くもないのです。

彼らは「身を切る」などと言っていましたが、政治資金で補填されているので、それは「フリ」でしかありませんでした。なんだか上手くできています。

しかも、自民党議員に支給される月200万円、年間1200万円の欺瞞的なところは、基本的に何にでも使えるフリーなお金だということ。一応、年1回の使途報告が義務づけられていますが、事務所家賃、人件費、飲食代といったようにお金の使い道に制限はありません。政治家が自分の政治団体に寄付することも可能です。そして、この給付金は非課税なのです。

国民への10万円は半数にも届いていない!

全ての国民に一律10万円を支給する「特別定額給付金」
高市早苗・総務相によれば市区町村の99.9%は既に支給を開始しているようですが、現場の事務作業は遅々として進まず、むしろオンライン申請の方が遅いといった間抜けな状況も明らかとなり、実際の給付状況は6月10日現在、全体の「38.5%」でしかありません(上の画像)

国民が各種給付金の面倒な手続きに七転八倒し、中小企業や個人事業主への「持続化給付金」においても、書類を送っては不備があると突き返されることを何度も繰り返している事業主がいる中で、”申請せずとも、即振り込まれる” のが今回取り上げた自民党議員へ支給される「200万円(年間1200万円)」というお金です。

この自民党議員への ”スピード感”、この国民との ”非対称性” を一体何と表現すれば良いのでしょうか? あまりの違いに、ただただ呆然とするばかりです。

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