白坂和哉デイウォッチ

朝日新聞が、トランプの真似して韓国を制裁する安倍首相を dis っています

Introduction:「天声人語」は朝日新聞の一面を飾る由緒正しき巻頭コラムです。そんな天声人語が、このたびの安倍政権による韓国に対する半導体材料の輸出規制について、安倍首相を思い切りdisっている模様です。

 とはいえ、そこは優等生な朝日新聞のことです。単純ベタなdisりはいたしません。朝日特有の変化球で楽しませてくれていますが、今回は比較的分かり易い ”くせ球” と言えます。

 今回紹介するのは、2019年7月3日付の「天声人語」です。

まず最初に、あくびは伝染するというお話。すなわち、誰かがあくびをすると、つられて「ふわぁ」とあくびしてしまいますよねえ、といった軽い前振りがあります。

そして、トランプ大統領の立ち振る舞いも、どうやら伝染するようだとして、日本による韓国への輸出規制といった本題に入ります。

半導体材料の3品目について審査を厳格化し、友好国の指定を取り消すといった今回の対応は、 元徴用工の裁判をめぐる韓国の対応に、日本が不満を持っていることから開始されたことは、誰の目にも明らかです。

確かに韓国にも問題があるにせよ、これでは ”江戸の仇を長崎で討つような筋違いの話だ” として朝日新聞は安倍政権を痛烈に批判しているのです。

この点にについては朝日新聞の指摘の通りで、このまま事態が推移してゆくと日本経済も返り血を浴びることは必定なわけです。そして、このことは経済戦争を展開中のアメリカも同様で、中国への関税上乗せをさらに拡大すればアメリカだって手酷い傷を負うわけなんですね。だからトランプ大統領はG20の場で、一旦は中国に譲歩するような形をとったわけです。

ただ、違いがあるとすれば日本とアメリカの国力の差でしょうね。力が弱まったとはいえ、アメリカは覇権国でありエネルギー大国でもあるので、国力のバックグラウンドが日本とは雲泥の差以上の差があることです。
日本がアメリカの真似事をすれば、必ずどこかで破綻します。

7月3日の天声人語は、やはり最後クライマックスが待っています。 

あくびは犬にも伝染するようで、忠誠を尽くす飼い主から特に影響を受けやすいといった研究報告もある」と、さりげなくトリビアを披露しています。

そして、「日本政府の場合は、こちらに近いか」と、つぶやくような体でコラムを終了しています。
いやはや、驚きました。朝日新聞もなかなか大したものです。

「あくびは犬にも伝染する」とはよく言ったもので、これすなわちトランプの真似ばかりする安倍首相は「犬」、ハッキリ言って「安倍首相はトランプの犬」と言っているようなものです。

とはいえ、子供の頃から特に勉強ができたわけでもなく、目立つことのなかった ”凡庸” な安倍首相としては、万が一トランプ大統領に捨てられでもしたら、それこそ ”野良犬” にすらなれないでしょう。
だから、安倍首相はトランプ大統領に媚びることに余念がないわけです。

天声人語が、というよりも朝日新聞が安倍首相を批判するのは、最近たびたび目にします。朝日新聞も安倍首相に対しては腹に据えかねているものと察します。

安倍首相は朝日新聞が大嫌いであることは、今では誰でも知っています。
安倍首相は、国会で朝日新聞を名指しで非難するぐらいですから。
これは好き嫌いといった生易しいものではなく、”生理的嫌悪感” といった根源的な問題であると言えましょう。

首相といえども人間ですから、新聞の好き嫌いがあったとしても何ら不思議ではありません。ただ、だからといって国会で非難するようなことは普通は有り得ません。

国権の最高機関で、一部の新聞を名指しで非難してしまうところが、安倍首相の首相としての器の欠如を如実に物語っているわけですが、同様に、朝日新聞についても「我々は他の新聞とは違うのだ」といった選民意識丸出しのエリート集団ですから、対抗策として彼ら特有の ”ねちっこさ” で普通は暗喩的に、そして時には直喩的に安倍首相を批判するのです。

安倍首相は朝日新聞が大嫌いで、読売新聞を気に入っています。
国会で朝日新聞を非難し、読売新聞を推奨する首相もどうかと思いますが、新聞の発行部数が減少する昨今、いっそのこと朝日新聞は ”反安倍” を旗印に掲げた方が、販売躍進に繋がるのではないかと思った、今回の天声人語でした。

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