戦争は人類の悲劇。戦争のない世界を実現しなければならない。この意味でロシアの行動は正当化されない。紛争の解決に武力を用いないこと。これが平和を維持する根幹だ。
しかし、ロシアは武力の行使に踏み切った。ロシアがなぜ武力行使に踏み切ったのか。ロシアが単に領土拡大を求めて侵略戦争に着手したのならロシアに弁解の余地はない。
しかし、ロシアの側に一定の理屈が存在するのなら、その理屈を考察することは必要だろう。従って、ウクライナとロシアの紛争の経緯を正確に知ることが重要になる。
19年に大統領に就任したゼレンスキーはミンスク合意履行を公約に掲げながら、その履行に力を注がなかった。それどころか、ミンスク合意を破棄してロシアと軍事的に戦う姿勢を強めてきた。
この経緯を踏まえなければ、ウクライナ問題の解決を図ることは難しい。ウクライナとロシアが交渉により、一刻も早く停戦を実現することが強く求められる。
つまり世界はこのウクライナ危機で壊れつつある。
だからプーチンが悪でゼレンスキーは善であるにしても、プーチンの指が核のボタンにかかっている以上、世界中の政治家たちはどんなことをしても核戦争を止めなければならない。それはゼレンスキーも同じだ。核で世界がすべて滅びれば、正義も名誉もまたすべてなくなってしまうのだ。
米国は直接、兵を送りません。法律的にNATOに加盟していないウクライナの防衛義務はないし、下手に参戦したら核戦争になるからです。代わりに武器弾薬や情報を提供してウクライナを支援し、経済制裁で徹底的にロシアを締め上げる。巧妙なのは、普通は公表しない軍事機密情報を惜しげもなく出したこと。
〔コメント:青木光男〕