Introduction:確かに「夜の街」でコロナ感染が増えているのは事実でしょう。
しかし、ここにきて東京都の感染者数が50人、100人以上となったのは「夜の街」のせいではありません。
根本的な原因はもっと別の場所にあるに決まってるじゃないですか!?
小池都知事は過去に ”おとぎ話” のような公約を掲げたばかりに、今、その呪縛に苦しんでいます。
ここに小池都知事の「欺瞞」と「ミスリード」が濃縮しています。
東京都 感染者が107人に!
7月2日、東京都では新たに「107人」の新型コロナ感染者が確認され、翌3日にはその数「124人」に上りました。
都内で100人以上の感染者が確認されたのは、5月2日以来2か月ぶりのことです。緊急記者会見の場に姿を現した東京都の小池都知事は、新調した ”パネル” を掲げながら危機感をあらわにしました。
小池都知事はこれまでも「新宿歌舞伎町」を名指しし、ホストクラブやキャバクラなどが感染の本丸であるかのような発言を繰り返しており、今回も「感染拡大要警戒」「夜の街要注意」といったように、夜の繁華街に出かけることを控えるよう呼び掛けています。
しかし、ここで少し待って欲しいのですが、確かに「夜の街」から感染者が出ていることには違いなのですが、小池都知事が指摘するように感染の主流なのでしょうか?
感染者107人の内訳
上のグラフは、7月2日の感染者の内訳を表したものです。
ご覧のように、ここでは23人の「夜の街」が占める割合は「21%」でしかなく、「感染経路不明」が倍の「42%」であることが分かります。
よって、2日の感染源については ”分からない” あるいは ”様々な場所” で感染したのだろう、としか言いようがないのです。
感染者の内訳(直近1週間)
この感染者の内訳をもう少し深掘りするために、東京都の直近1週間(6月25日~7月1日)における感染者の内訳も見てみましょう。
(上のグラフ)
確かに、7月2日を除いた直近1週間では、「夜の街」の感染者が「43%」といったように、「感染経路不明 41%」と拮抗しているのが分かります。ただ、これに2日の数を加えると「夜の街」の割合は「39%」となります。
以上のことから、いわゆる「夜の街」からの感染は「3~4割」で推移しており、残りの「6~7割」は「感染経路不明」というのが実態であることが分かります。
感染者の内訳(年代別)
さらに、東京アラート(6/2~6/11)解除後、年代別の感染者内訳を知るには上のグラフが有効でしょう。
東京都においては4月の中旬頃にコロナ感染のピークを迎えましたが、この頃と現在で決定的に違うのは、現在は感染する年代が「若い」ということです。グラフにもあるように、アラート解除後では30代以下が全体の「75%」を占めています。
満員電車を何とかしないと東京の感染は減らない!
ここ最近の小池都知事は、ことさら「夜の街」をやり玉に上げ、「夜の街」こそが元凶であるかのような印象を東京都民に与えてきました。
しかし、「夜の街」の感染は全体の「3~4割」と推測でき、それ以外は原因が分かっていないのが現状なのです。
しかも、ここ最近は若い年代の感染が明らかに目立っています。若い年代は活動的ですから、もちろん「夜の街」にも繰り出すでしょう。しかし、それ以上に忘れてならない行動パターンがあります。
それは「満員電車」です。
「満員電車」が「夜の街」以上に「三密」状態にあることを否定する方は皆無でしょう。しかも、30代以下の労働者は多かれ少なかれ日々「満員電車」を経験しています。感染経路が不明である「6~7割」の主たる原因が、実は「満員電車」にあることは誰でも予測可能なのに、なぜ小池都知事はこれを指摘しないのでしょうか?
2016年の東京都知事選、小池氏は公約に「7つのゼロ」を掲げたことは皆が知るところです。このどれもが実現に至っていませんが、今回の小池都知事による問題は『満員電車ゼロ』の公約に関わっています。
『満員電車ゼロ』とは、2階建ての電車を走らせ満員を緩和するといった ”おとぎ話” です。こんな公約など、実現できると考える都民は一人もおりません。
小池都知事の「欺瞞」と「ミスリード」
「欺瞞」とは、「人をだますこと」「人をあざむくこと」です。
「ミスリード」とは、「”意図的に” 誤った方向や、考えに導くこと」、つまり「誤解をさせる」ことの意味で用いられます。
まるで実現不可能な ”おとぎ話” が、今、小池都知事を苦しめているのではないでしょうか?
ここで満員電車が大きな感染源だと言ってしまえば、当然、企業活動も停止せざるを得なくなりますし、経済は停滞してしまいます。そして、何より「そう言えば小池さんの公約に ”満員電車ゼロ” があったよね?」といった遠い記憶を呼び覚ますことになります。
そして、行き着く先が「満員電車ゼロの公約が実現できれば、こんな事にはならなかったのに・・・」です。
これは2020年の都知事選に対して大きなマイナスとなります。
しかし、「7つの公約」未達成については既にネット上で散々叩かれている一方で、小池都知事の主たる票田の ”情報弱者である高齢者” はこのことが分かっていない、このようなネガティブな情報が届いていない方が多数占めていると考えられます。
結局、小池都知事は「夜の街」を仮想敵と定め、ことあるごとに「夜の街」を叩くことで自身の過去の公約を忘れさせ、選挙戦を有利に進めることを狙っているのでしょう。これこそが小池都知事の「欺瞞」と「ミスリード」です。
7月3日の東京都の感染者数はなんと!「124人」に達してしまいました。
2日連続の100人台です。
しかし、以上の理由から、小池都知事は「夜の街」を攻撃するだけで有効な手立てを打つことなく、そのまま7月5日の投票日を迎えるつもりでしょう。