タレントには政治的発言が許されないのか?
Introduction:発端はハワイ在住の日系四世の作曲家、ロブ・カジワラさん(32)である。彼の母親は沖縄県・中城村(なかぐすくそん)出身で、そのような縁もありロブ氏はたびたび沖縄県を訪れているという。
今回、米軍普天間基地移設に伴う沖縄・名護市辺野古新基地建設を巡り、彼はアメリカ合衆国に対する署名活動を展開し、辺野古埋め立て・辺野古新基地建設を阻止すべく立ち上がった。
~そして、この活動にタレント・ローラさんも反応したのである~
そもそも、アメリカとはどのような国家なのか?
アメリカは始末に負えない戦争国家である。
俗に言う「軍産複合体」がアメリカ社会や政治を牛耳っている側面があり、実際問題、アメリカは戦争によって潤い、戦争によって “食っている” 国家だとも言える。
しかし、同時にアメリカには民主主義の「仕組み」がしっかりと実装されているのも、また事実である。その一つが日本のタレント・ローラさんが、インスタグラムを通じて呼びかけた「署名活動」である。
つまり、アメリカ大統領に対し、辺野古埋め立て工事の中止を求める署名をすることだ。署名開始から30日以内に10万筆を越えれば、アメリカ・ホワイトハウスが対応を検討し、60日以内に回答しなければならないといった法律が、アメリカには存在するのである。
アメリカは戦争を通じ、海外で傍若無人な態度を幾度となく我々に見せつけてきたが、奇妙なことに、この手の法律に関しては実直なまでに履行する国家でもある。
実は、辺野古埋め立て反対の署名は、この記事が書かれた12月19日時点で優に要件を満たす10万筆を越えている。
よって、アメリカ合衆国はホワイトハウスの声明として、何らかの回答を発信するであろうことは、まず間違いない。これにはアメリカの国家としての威信が掛かっているからだ。
我々は日本国民として、ローラさんを守る義務がある
そのような中でも、タレント・ローラさんが辺野古埋め立て反対の意思を表明したことは極めて重要な意味を持つ。というのも、日本のタレントが政治的発言をすることは基本的に御法度であるからだ。いくら売れっ子であるといえども、下手をすればタレント生命に響きかねない死活問題に直結する。
タレントの石田純一さんがそうだった。
彼は2016年の夏に東京都知事選に意欲を見せたものの、わずか数日でその志を砕かれた。極めて残念な遺恨を残したが、要するに、タレントのような票が取れる著名人が政治活動をすると、それを快く思わない勢力が存在するということだ。
ローラさんについても、今後何らかの圧力が掛けられたとしても不思議ではなく、とはいえ、このような勇気ある行動者を指をくわえて傍観するほど我々は愚かではないはずだ。
よって、ローラさんを支持する世論を盛り上げることにより、ローラさんを理不尽な圧力から守ることができると考えられる。それをできるか否かは、我々日本人の矜持に掛かっている。先ずは、我々は署名活動に邁進すべきである。無論、10万人を超えていても署名はできる(言うまでもないが、署名は多ければ多いほど効力を発揮する)
さあ、署名をしよう!手順は簡単だ!
何だかんだと語ってきたが、この署名、実に簡単なのだ。
とはいえ、アメリカのWebサイトにアクセスすることもあり、なんとなく躊躇する方もいるかもしれない。だから私が手順を説明することにする。下記の手順を参照して欲しい。これは私が実際に行った手順である。
13歳以上であれば居住地や国籍に関係なく誰でも署名することができる。
◆手順①
下記のリンクにアクセスしてください。
https://petitions.whitehouse.gov/petition/stop-landfill-henoko-oura-bay-until-referendum-can-be-held-okinawa
◆手順②
下記のサイトが表示されるので、赤枠の部分に氏名、メールアドレスを入力してください。
(「名」→「姓」→「メールアドレス」の順に入力します)
※画像をクリックすると拡大します。
◆手順③
署名をしたら「Sign Now」ボタンをクリックしてください。
※画像をクリックすると拡大します。
◆手順④
赤枠のような「Email Varification Required」の画面が表示されます。
※画像をクリックすると拡大します。
◆手順⑤
指定したメールアドレスに下記のようなメールが届きますので、赤枠のリンク先をクリックしてください。
※画像をクリックすると拡大します。
◆手順⑥
下記の画面が表示されます。
これで手続きはすべて完了です。どうですか?簡単でしょう?
※画像をクリックすると拡大します。
佐藤優氏による「ホワイトハウスへの請願」
詳細な経歴は今回省略するが、「知の巨人」とまでに謳われる人物がいる。
元外務省主任分析官であり、現在は作家として活躍している佐藤優(さとう まさる)氏である。
この佐藤氏が12月21日の東京新聞・本音のコラムで「ホワイトハウスへの請願」と題し、辺野古埋め立て反対の署名について取り上げたのである。
佐藤氏が、辺野古問題を自身の連載コラムで言及するのはこれが初めてではない。
佐藤氏は独自の情報網とインテリジェンスを駆使し、物事を多面的に捉える言説を展開することで知られるが、今回のコラムは実に直截的に表現しているのが特徴だ。
冒頭でロブ・カジワラさんに触れ、沖縄県民投票が行われる2月24日までに10万筆以上署名が集まれば、米ホワイトハウスから何らかの回答が届くこと。そして署名サイトのIPアドレスも紹介している。
このような佐藤氏らしからぬベタな表現がむしろ、彼を知る者に対しては新鮮な驚きとなり佐藤氏の本気度や事の重大さが伝わる内容となっている。
よって、この記事でも佐藤優氏のコラムを取り上げ、広く周知拡散を図るものとする。
2018年12月23日現在、総署名数は「159,169筆」に達している。
まとめ ⇒強いアメリカにも弱点は存在する
”ジャイアニズム”という言葉がある。
アメリカが「ドラえもん」に登場するジャイアンのように、傍若無人に振る舞う様子を揶揄した言葉だ。
しかし、そんなアメリカにも弱点は存在するのだ。
それが「世論の力」だ。
アメリカはどんなに戦争を仕掛け世界を蹂躙したとしても、現地の世論の反対の意思には、脆くも屈する場合がある。
その意味で、アメリカは常に日本の世論には警戒を怠っていなのである。
そのアメリカの足元を揺るがすため、最後に残った一手が今回紹介した署名活動なのである。