白坂和哉デイウォッチ

SMILE―UP. の「慈善」と「偽善」

SMILE-UP.の東山紀之社長らが28日、能登半島地震で被災した石川県・珠洲市を訪問。ラーメンの炊き出しなどを行いました。
避難所になっている珠洲市の正院小学校を訪れたのは、東山紀之社長(57)、TOKIOの城島茂さん(53)、井ノ原快彦さん(47)、Snow Manの阿部亮平さん(30)、高田翔さん(30)、冨岡健翔さん(31)の6人です。午前10時すぎからおよそ3時間にわたり避難している人たちと交流し、持ち込んだ水と食材で作ったラーメンやお菓子のプレゼントを手渡しました。
ラーメンを食べた人
「最近ずっと被災食ばかり食べていたので、ラーメンすごくうれしいです」
「皆さんの心がこもった温かいラーメンだなと思います」
珠洲市では今も水道が使えないため、ラーメンなど水を多く使用する料理は貴重で、避難所の人に喜ばれていました。

2024年1月28日 日テレNEWS 『SMILE-UP.が被災地訪問 東山、城島、井ノ原ら6人が珠洲市の避難所で炊き出し』

旧ジャニーズ事務所、SMILE―UP.による能登半島被災地での「炊き出し」自体はとても重要な活動であり、この活動に合わせ、義援金5000万を拠出した報道も為されている。
この活動を否定するつもりは毛頭ない。
しかし同時に、SMILE―UP.のこれら動向には違和感を禁じ得ないのも事実だ。
本来彼らが集中すべき、全振りすべき活動は被災地の支援ではないからだ。

SMILE―UP.は、故・ジャニー喜多川氏による性被害者への補償に特化した企業であると聞き及んでいる。
であれば、彼らはお金も含む企業のリソースを性被害者たちに向けなければならない。
世界に類のないジャニー喜多川氏の性加害事件は、自殺者まで出してしまったことは周知の事実。
SMILE―UP.は故人や遺族に真摯に向き合っているか?
なぜ、性被害者の面談に際しては箝口令を敷いているのか?

被災地への慈善活動とは裏腹に、肝心の性被害者への向き合い方については不誠実ではないのか?
穿った見方をすれば、SMILE―UP.は所属タレントとファン心理を巧みに利用し、あたかも「禊(みそぎ)は済んだ」感を演出しているのではないか?
このような行為は、一歩誤れば「偽善」のそしりは免れない。
今回のSMILE―UP.による被災地の炊き出しは、企業の姿勢をあらためて問われる形となった。

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