白坂和哉デイウォッチ

週刊金曜日『まるごと山本太郎』~政治をひとびとに取りもどす

Introduction:反原発活動家として一躍「時の人」となった山本太郎。彼はその後参議院議員にもなり、現在は政党「れいわ新選組」代表として、日本経済を熱く語っています。

彼のお陰で、実は日本の政治は国民のためにあるのではない事が白日の下に晒されました。

つまり、生活が苦しい人々、生きるのが辛い人々は何も自分たちが悪いわけではないことを、歪んだ日本の政治構造を分かり易く解説することで、山本太郎がバラしてくれた。これが彼の最大の功績と言えましょう。

そしてこのことは、「政治をひとびとに取りもどす」ことに確実に繋がってゆくはずです。

『週刊金曜日 2019.11.28 臨時増刊号 まるごと山本太郎 れいわ新選組』は、そのタイトルが示すように、山本太郎を ”丸裸” にしています。
この臨時増刊号はとても内容が充実しているため全てを紹介することはできませんが、今回はそのエッセンスの一部に触れてみたいと思います。
今回は消費税にまつわる話です。

消費税やめるしかないでしょう

《消費税やめるしかないでしょう。10%に上げたら、1年間で1カ月分の給料を取られるのと一緒ですよ。》

今年7月に行われた参議院選挙で、山本太郎が最も力を入れて発信したキーワードが「消費税」でした。

これまで政府は、高齢化社会に向けた社会保障費の財源確保を理由に消費税を上げてきましたが、実はその消費税が適正に活用されていなかったのみならず、「そもそも日本は消費税を増税しなければならないほど財政状態が悪いのだろうか」といった根源的な視野を私たち国民に与えたのが、他ならぬ山本太郎です。

彼のお陰で私たちは目先の矮小な政策に捉われることなく、日本の政治というものを大きな視点で、俯瞰して見ることができるようになりました。

つまり、財源がないから増税をするなどとんでもない話で(緊縮財政)、日本の財政状況に鑑みれば、もっと支出を増やし経済を活性化させることこそが(財政出動)、日本再生のための大きなポイントであることに私たちは気づかされたわけです。

日本の政治は国民のためにあるのではない


山本太郎は参院選を闘う中で、過去の消費税5%⇒8% への増税に触れ、3%の増税分については16%しか社会保障費に使われていなかったことを暴露します。そうしてみると、では消費税増税は一体何のために行うのか? という話になりますね?

ここに「日本の政治は国民のためにあるのではない」と筆者が指摘する理由があります。これは何も消費税に限らないことかもしれませんが、使途不明となっている税金については、次の3つの要因が何らかの形で絡んでいるものと思われます。

消費税の増税分の多くが、減税された法人税の補填に活用されていたことを山本太郎がつまびらかにし、このことは私たちに衝撃を与えました。

また、1機100億円以上もするアメリカのステルス戦闘機、F35を100機以上購入する計画が持ち上がるなど、”兵器の爆買い” がなぜ可能になってしまうのかも、鍵は案外この辺にあるのかもしれません。

結局のところ、このような国家の方針はすべからく政治家の決定事項に他なりませんので、国政を預かる政治家、特に安倍政権には巨大な権力と利権が集中していることになります。

自民党などは全国津々浦々に組織を網の目のように張り巡らしています。そして、そのような組織は、それに群がる御用学者や御用評論家を数多く抱えることで、情報操作のスポークスマンとして彼らを活用する土壌は十分に醸成されています。

最近では、国際政治評論家の三浦瑠麗氏に、自民党山口県連から50万以上のお金が講師料の名目で支払われていたことが分かりました。この事例などは典型的です。自民党は有識者の思想をお金で買うことにより、その者を御用学者としてインナーサークルに抱え込むことが可能になるのです。それには当然それ相応のお金が動くことになります。

国民は何のために存在するのか?

デフレ・スパイラルという重篤な病に冒されている日本。そのために、多くの 生活が苦しい人々、生きるのが辛い人々をこの国は生み出してきましたが、彼らは ”自己責任” の名のもとに社会の片隅に追いやられ、声も出せない状況にありました。

日本は、まさにこのような人々のもとに政治を取りもどせるかどうかの瀬戸際に立たされています。

山本太郎が明らかにしたのは、政治家にとっての国民とは、税金をむしり取るための ”金づる” でしかないということです。

その証拠に、生活保護が必要かもしれない、生活が苦しい人々、生きるのが辛い人々たちに対しては国はそれをコストとしか見なさず、生活保護費をどんどん削っています。

ちなみに、「生活保護をスリム化する」ことは、自民党の選挙公約にもなっています。

※画像は 『週刊金曜日 2019.11.28 臨時増刊号 まるごと山本太郎 れいわ新選組』 より

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