白坂和哉デイウォッチ

なぜトランプはUSAIDを目の敵にするのか?

Introduction:アメリカ政府の国際開発局(USAID)は、トランプ政権の方針により国務省と統合される見通しである。
政府は予算と人員の大幅削減を計画し、USAID職員は休職処分となった。
トランプ大統領とイーロン・マスク氏はUSAIDを強く批判しており、その閉鎖は世界の人道支援プログラムに深刻な影響を及ぼす可能性がある。

USAIDとは何か その機能は

USAIDは1960年代に設立され、世界各地で人道支援を行う機関である。約1万人の職員を擁し、60カ国以上に拠点を持つ。
飢餓予測システムやポリオ予防接種、ウイルス拡散防止など幅広い分野で活動している。

USAIDにアメリカ政府はどれだけ支出しているのか

2023年のアメリカの国際援助費は680億ドルで、その半分以上の約400億ドルがUSAIDに充てられた。
主な支出先はアジア、アフリカ、ウクライナでの人道支援である。
アメリカの国際援助費は他国と比べても突出している。

なぜトランプ氏とマスク氏はUSAIDを刷新したいのか

トランプ大統領は、USAIDの支出が納税者にとって適切でないと批判し、削減を推進している。
世論調査でも外国援助削減の支持が根強い。
国務省の覚書により、USAIDの現地活動が停止され、人道支援活動に大きな混乱を招いた。

トランプ氏はUSAIDを閉鎖できるのか

USAIDは1961年の法律に基づき設立されており、完全な閉鎖には連邦議会の承認が必要とされる。
過去にもイギリスが国際開発省を外務省と統合した例があり、USAIDも国務省の一部門として存続する可能性がある。

USAID閉鎖の影響は?

USAID閉鎖により、ウクライナでの義肢提供、地雷撤去、エボラ対策などの事業が停止する恐れがある。
対外支出の凍結後、ルビオ国務長官は支出の正当性を証明する必要があると述べた。
民主党はこの動きを違法と非難し、国家安全保障のリスクを指摘している。
今後のアメリカの国際援助政策に不透明感が増している。

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