白坂和哉デイウォッチ

2019年「政権交代」は山本太郎と共産党によって起こされる

Introduction:人生には3つの「坂」があるといいます。
「上り坂」「下り坂」そして「まさか!」です。

これは小泉純一郎・元首相が残した、おそらく唯一 ”ためになる” 言葉かもしれません。

そして、その「まさか!」が日本の政界に起こるような予感がしています。
――そうです。それは「政権交代」です。

れいわ新選組の山本太郎氏と、共産党の志位和夫氏が政権交代を見据えて手を組みました。これを侮ってはなりません。なにせ「政界一寸先は闇」なのですから。

ちなみに、これは自民党副総裁を務めた故・川島正次郎氏の言葉です。    

年内に衆議院が解散される!

今年7月に行われた参院選において、もう一つの焦点が「衆議院解散」はあるのか? つまり、衆議院が解散され「衆参同日選」にもつれ込むのかでしたが、実際は衆議院は解散されることなく、低投票率のもとに参院選が粛々と進められたわけです。

上記の「JIJI.COM」の資料にもあるように、これまで衆議院の解散については、いくつかのパターンが予測されてきました。
そして筆者は、今年の10月から11月にかけての時期に、衆議院が解散されると予想しています。

つまり、安倍首相は10月22日に予定されている天皇陛下の即位礼の後に衆議院を解散し、憲法改正へと進む青写真を当初から描いていたと思います。

だから、あれほどまでに頓珍漢で無様な ”内閣改造” を行ったわけです。小泉進次郎の入閣や、今井絵理子の政務官抜擢。そして、年数だけ長い無名の老政治家の ”在庫一掃” など、どうせ近々解散するわけですから安倍首相としては話題性だけ振りまければ、役立たず大臣でも全く問題ないわけです。

ただし、「台風15号」による災害はあまりに甚大で、さすがにこれは安倍首相にとっても想定外と言う他なく、彼は多少なりとも解散時期について逡巡したと思われます。

それでも、出した結論はやはり予定通り「解散」を断行することではないか?
そのために台風15号による千葉県の被害を必要以上に ”過小評価” し、何事もなく来るべき「解散の日」に備えるということではないでしょうか?

その証拠に、マメにSNSで情報発信を続けていた安倍首相が、千葉県の災害については ”一言も” 触れていないといった、奇妙な現象が起きています。これにより、安倍氏は極めて非常な首相との印象が拭い切れていません。
(参考:「Twitter黙秘権」を行使する安倍首相 ~千葉県災害に対し謎の沈黙

日本共産党 ~正統なる政党かもしれない

日本共産党は現存する政党の中で、政権に就いたことのない最も古い政党です。
長らくの間、左翼を代表する護憲政党として君臨してきましたが、同じ護憲を訴える社民党が消滅してゆく中で、共産党は ”万年野党” から脱皮できるのかが、今最も重要なテーマになりつつあります。

というのも、日本共産党は政権を狙える「国民政党」には絶対なり得ないと言われてきたからです。

一つには、かつてのレッドパージという言葉に象徴されるような、”危険な赤” というイメージを老年層を中心に今も引っ張っていること。
もう一つには、かつての ”反天皇” という立場や、また自衛隊に対する考え方が、特に保守派から著しく忌み嫌われていることが挙げられます。

しかし、時代を経るにつれ日本共産党もだいぶ様変わりしてきた、むしろせざるを得なかったように思われます。「共産党」の看板を捨てれば支持率が急騰するだろうと言われる所以です。今では生活密着型の政党といったイメージです。

日本共産党の強みは、何と言ってもその調査能力ではないでしょうか?
機関紙『しんぶん赤旗』などは鋭い論調に溢れています。現在も「日米地位協定」や「在日米軍基地」などの問題についても、かなり突っ込んだ内容の検証記事を提供しています。これは一般紙ではなかなかお目にかかれない内容です。

選挙となると必ず何かしらの候補者を擁立する ”執念深さ” も特筆すべき点でしょう。地味ながら自馬力は大したものです。

そんな共産党の金銭面の特徴は、やはり政党助成金を受け取ることなく、機関紙の収入や議員歳費で党運営を賄っている点にあります。これについてはさすがと言う他なく、ある意味 ”正統なる政党” とも言えましょう。
よって共産党は、基本的には ”貧乏” です。

山本太郎&「共産党」は親和性がある

護憲政党は今どき流行りません。なぜなら、大方の国民が憲法を変えること自体には、さほど違和感を持っていないためです。

と同時に、安倍首相が唱える「憲法9条に自衛隊を書き加える」という改憲案には大方の国民が違和感を持っているのではないでしょうか?
理由はあまりにも ”幼稚で低レベル” な改憲案だからです。安倍首相らしく知的でない、知性を感じさせない改憲案だからです。

しかも、なにも憲法に自衛隊を明記せずとも、安倍首相が行った「安全保障関連法」により、自衛隊の海外派兵は事実上解禁されてしまっていることも理由に挙げられるでしょう。

よって、今さら9条に自衛隊を明記することは ”象徴的” な意味しか持たず、要するに憲政史上に「安倍」の名を残すための安倍首相の野望がバレバレなために、”安倍首相による改憲議論” は全く盛り上がらないのです。

一般国民は、どうせ憲法を変えるのであれば、バカみたいなやり方・文面ではなく、時代に即した真っ当な内容にして欲しいと思っているはずです。
これが、安倍首相には分からないのです。

しかし、「消費税」であれば話は違います。

消費税は元々逆進性が大きな問題点として捉えられており、10月に実施される消費税増税では、景気にさらなる大打撃を与えることは間違いないと思われます。

さて、野党の諸君はどうする?

そんな中で、「消費税廃止」を訴え、7月の参院選で大きく飛躍したのが「れいわ新選組」であり、中心となるのが代表を務める山本太郎氏です。

国政議員となって以来、着実にレベルアップしてきた山本太郎氏は、消費税を廃止した国家としてマレーシアを紹介し、日本の財源のカラクリを白日の下に晒すことで、消費税の廃止に一定の根拠を与えることに成功しました。

また、同じく参院選を闘った、れいわ新選組の大西つねき氏による専門性の高い経済理論も、山本太郎氏にとって大きな援護射撃になったことは言うまでもありません。

山本太郎氏のれいわ新選組と、志位和夫氏の日本共産党が「消費税」によって手を組んだことは決して偶然ではありません。
日本共産党にとって、これまでの「憲法9条を変えない」とする主張と、「消費税廃止(or 引き下げ)」とする主張は、実は同じイデオロギーが根底にあるからです。

長らく経済が停滞し、あらゆる面で行き詰まっている今現在において、憲法改正など二の次、三の次、変えられるわけがないのです。市井の人々は日々の生活が一番ですし、だからこそ10月の消費税増税に戦々恐々としています。

消費税増税はまさに生活に直結する問題で、消費税でタッグを組む「山本太郎&志位和夫」コンビは、消費税に対して何らかの変化を与えることができるでしょう。
――むろん、それは「政権交代」をも意味しています。

さて、他の野党はこれに追随して行けるのでしょうか?

人生には3つの「坂」があるといいます。
「上り坂」「下り坂」そして「まさか!」です。

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