Introduction:今の安倍首相を見ると、限界に達していることが分かります。
体は痩せ、顔色は悪く、声にも張りがありませんし歩く姿もまるで覚束ない。
そんな安倍首相は8月23日でタイ記録、そして24日で連続在職日数が「2799日」となり、大叔父である佐藤栄作を抜き首相として歴代最長を記録します。
安倍首相はここまでです。安倍首相は24日、もしくは24日の週に辞任の記者会見を開くかもしれません。
安倍首相に対する ”印象操作” が行われている!
「働き方改革!」などと銘打っておきながら、今年の通常国会とほぼ期を同じくしての145日間、休みなしに働いてきたとされる安倍首相。
しかし、その実態は連続して働いていたには違いないものの、実質的には中身の薄い(と思われる)”名ばかり休日出勤” によるものであることが既に分かっています。
そんな中で、「147日働いたこともない人が、働いた人のこと言ったって分かんないわけですよ!」などと、まるで得意気に、そして恫喝でもするかのように凄みをきかせる麻生副総理兼財務相はどうにかしていると言わざるを得ません。
しかし、考えてみればおかしな話で、安倍首相の ”健康不安説” がいつの間にか「過重労働を強いられる安倍首相は可哀そうだ」「そんな安倍首相を休ませないといけない」といった話にすり替わっていることに気づきます。
穿った見方をすれば、公務に支障が出るほど体調不良であるという ”アリバイ作り” を少しづつしているのではないか? そして、体調不良によって辞任も仕方がないのだという ”印象操作” を少しづつ国民に対してしているのではないかとも言えるわけなのです。
なぜなら、第1次安倍政権での安倍首相の辞めっぷりがあまりに唐突で、未だに多くの国民が「安倍首相は政権を投げ出した!」と思っているからです。
2007年9月の辞任は、安倍首相にとってトラウマです。
安倍首相はまともに働けていない!
筆者がそのように感じたのは、8月の安倍首相の勤務状況を調べた際、安倍首相はまともに働けていないことにあらためて気がついたからです。
上に示したカレンダーは、安倍首相の8月の勤務状況です。
「ピンク色」は午前中休んで午後から公務を行ったことを示しています(午前休・午後休日出勤)──午前休・午後休日出勤した日は、働いた時間も記載しています。
「赤色」は公務がなく一日中休みだったことを示します(全休)
8月の初め頃は午前休・午後休日出勤をしていたことが分かりますが、いずれも1時間程度で公務は終了しています。
問題は8月10日以降です。
カレンダーをみると8月12日から3日連続で午前休・午後休日出勤しており、8月15日の「終戦記念日」を挟み、翌週からは3日連続の全休、その後の3日連続の午前休・午後休日出勤といったように、目も当てられないような悲惨な勤務状況だったことが分かるのです。
安倍首相の体調がいかに悪かったのか、この勤務表が如実に物語っています。
そして、ここでは何点かのポイントを上げることができます。
ポイント① 8月15日 麻生氏が安倍私邸を訪問
8月15日の「終戦記念日」
安倍首相は東京・三番町の千鳥ケ淵戦没者墓苑や、東京・北の丸公園の日本武道館を訪れ、戦没者の式典に参加。
そこで献花、スピーチを行いましたが、昼の12時47分には現地を出発し、早々に私邸へと帰宅しています。
そして、午後の2時過ぎ──安倍首相の私邸を訪れたのが、他ならぬ麻生太郎・副総理兼財務相だったわけです。
安倍首相が呼んだのか、あるいは麻生氏の方からやって来たのかは定かではありません。しかし、このタイミングでこの二人が安倍邸で何を話していたのかは実に気になるところです。
端的に申し上げて、二人は「次期首相」について話し合ったものと考えています。つまり、安倍首相は麻生氏を呼びつけ、首相の座を麻生氏に禅譲する旨話したのではないかということ。森友加計や桜、そして河井夫妻といった数々の疑惑を一切追訴しないという条件付きです。
もはや首相を続けられないほど体調が悪いのは、安倍首相自身が一番よく分かっているはずです。そういった状況で首相を辞任する場合、副首相である麻生氏に禅譲するのであれば角は立ちませんし、それに対する取引もしやすい相手でもあります。おそらく、麻生氏はこの話を引き受けたと思われます。
ポイント② 安倍首相は慶応病院へ ”検査” に行ったのではない
8月15日の翌週は安倍首相にとって最悪の週となりました。
ここにきて安倍首相の体調はさらに悪化の一途を辿ったものと思われます。よって、8月17日に訪れた慶応大学病院は大きなポイントとなります。
安倍首相は6月に行った人間ドックの追加検診だったと嘘ぶいていますが、検診に7時間以上も掛かるはずがありません。7時間ということは、ほぼ1日だったということです。要するに、安倍首相は1日かけて精密検査や治療を行っていたに違いないのです。
一部の週刊誌は「GCAP」といった末期の潰瘍性大腸炎に施される血液浄化治療を行ったと報じていますが、それであれば辻褄は合います。これは血液を取り出して白血球を除去する機械に通し、そこで炎症に関わる一部を取り除いた後、血液を再び戻すといった透析に似た、時間の掛かる治療法だからです。
ただし、この治療を行った場合、1~2日は安静にする必要があり、カレンダーでも分かるように安倍首相は翌日を全休、翌々日以降を午前休・午後休日出勤にしています。
このように、安倍首相の体はボロボロな状態であると予想されます。上に示した7月のカレンダーからも分かるように、特に月の後半において体調が急激に悪くなったものと思われます。ちなみに、7月6日は安倍首相が「吐血」したとされる日です。
ポイント③ 大叔父・佐藤栄作を超える8月
安倍首相には、多くの国民が納得するレガシー(政治的遺産・実績)というものが何もありません。そんな安倍首相にとっての拠り所が ”いかに長く首相を務めたか” になります。
首相在任の通算日数では、既に2019年11月20日に「桂太郎」を抜いており、次なる目標が安倍首相の大叔父である佐藤栄作の持つ「首相の連続在任記録」となります。これが達成されるのは慶応大学病院に行った翌週の8月24日。
この日に安倍首相は憲政史上、名実ともに最も長く首相を務めた人物となる。
今の日本の政治状況、そして今後の日本の政治状況の予測をもってしても、この記録は抜かれないでしょう。安倍首相はこれで一杯一杯のはずです。これ以上続けたとて、安倍首相にとっても、さらに日本国民にとっても、もはや何の意味もありません。
麻生首相の誕生で何が変わるのか?
残念ながら、何も変わらないと思われます。
麻生氏は義理と人情を標榜する、清濁併せ呑む政治家です。とりあえず盟友の安倍首相の頼みとあれば、ワンポイント・リリーフであっても首相の座を引き受けるでしょう。しかし、彼は長くは続けるつもりもなく、また何かを変えようとすらしないでしょう。
今や自民党の主流派にとって最も大切なことは、政権与党であり続けること。この一点です。そのためには経済はどうしても堅調でなければならず、『GO TO・・・』といった珍妙な政策に恥じ入ることなく、よってコロナ対策では真剣さが皆無なのです。
安倍首相の辞任によって湧き上がる多くの人々の姿が目に浮かびますが、これはさらなる暗黒世界の入り口に過ぎないかもしれません。