Introduction:6月19日の公開から1カ月。試用期間が終了し、これから本格的運用がはじまる新型コロナウイルス接触確認アプリ、愛称「COCOA(ココア)」
しかし、”アベノアプリ” とも揶揄されるこのアプリは、当初は初歩的なバグも解消されておらず、導入しても全く意味ない代物でした。
では、現在はどうかと言えば、バグは修正されたものの、やはり「役に立たないアプリ」との評価を変えようがないのが実情です。
今回は接触確認アプリが役に立たない「たった一つの理由」についてお話ししようと思います。
とりあえずバグは解消されたが・・・
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まず、6月19日のリリース当時に発覚した初歩的バグが、その後どうなったかについて最初に触れておかねばなりますまい。確認されたバグは次の2つでした。
- 利用開始日の不具合:本来であれば、アプリをインストールし利用を開始した日付が表示されるはずが、実際はアプリを開いた当日日付が表示されてしまう。
- 陽性者情報登録の不具合:架空の「処理番号」であってもエラーにならず、登録できてしまう。
利用開始日の不具合について
該当のバグについては ”とりあえず” 修正されていることを確認しました。ただし、筆者の場合はアプリをインストールしたのが6月22日であるにも関わらず、なぜか利用開始日が「6月27日」と表示されてしまうのは今もって謎です。
(上の写真)
陽性者情報登録の不具合
「利用開始日」については実に曖昧な修正ぶりでしたが、「陽性者の情報登録」についてはしっかりと修正がなされた印象を受けます。
元々は8桁の「処理番号」を入力する仕様となっているため、仮に8桁に満たない番号を入力した場合、登録ボタンが反応しないように修正されました。
また、適当にランダムな番号を入力した場合は『アプリで入力された処理番号が違います』とのメッセージが表示されるように修正が加えられました。
(上の写真)
役に立たない、たった一つの理由
バグについてはとりあえず解消されたものの、それでもこのアプリはまるで役に立たないと断言できます。
というもの、上に提示した厚労省発表の文面にもあるように、7月17日時点でアプリのダウンロード数は「741万件」。しかし、それに対する陽性者登録件数は驚くべきことに、わずか「19件」でしかないのです。
「741万件」に対しての「19件」とは、一体どれ程のレベル感でしょうか?
実際に陽性登録した人と接触する確率を単純計算すると「0.0002564%」といった極めて低い確率となるのが分かります。
これでは宝くじの方が当たるぞ!
これを2019年に発売された『年末ジャンボ宝くじ』の当選確率と比較すると、さすがに1等「7億円」が当たる確認よりは高いものの、驚くべきは「100万円以上当たる」確率よりは低い、といった結果が得られることです。
つまり、接触確認アプリで陽性者と接触する確率に比べれば、年末ジャンボ宝くじで「100万円以上当たる」確率の方が倍以上高いということです。
このようなアプリ、果たして「役に立つと言えるでしょうか?」
当たり前の話ですが、接触確認アプリはインストールするだけでは何の役にもたちません。陽性者登録がなされて初めて役に立つ代物です。そうでなければ無駄にスマホのストレージを食いつぶし、Bluetooth を常時ONにしなければばらないことから無駄にスマホのバッテリーを食いつぶすだけになります。
NHKの調査にによれば、日本国内の感染者は「2万5,383人」、完治し退院した者は「1万9,576人」、死亡者は「999人」となっています(7月19日現在)
2万5,383人-(1万9,576人+999人)=4,808人 |
よって、上の計算式にあるように、現在国内では「4,808人」もの人々が感染状態で生存しており、これら「4,808人」全員が陽性者登録してくれるのが理想で、その場合の接触確率は「0.102%」です。せめてこのレベルにまでは上げたいところです。ただ、国内の感染者全員の登録は実際問題として無理かもしれませんが、かといって「19人」というのはあまりにお粗末すぎます。
しかも、このアプリは人口の6割が導入しないと感染拡大を止める役割を果たさないとの指摘もなされています。これにはLINE並の「約8000万件」のダウンロードが必要となりますが、現在は前述したように「約741万件」でしかありません。
新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA(ココア)」、通称 ”アベノアプリ” が役に立たない、たった一つの理由。
──それは、圧倒的に少ない「陽性者登録」にあります。