Introduction:まさにオクトーバー・サプライズ! これまでのトランプ大統領は、新型コロナウイルスに対し強気の発言というよりは、むしろ暴言を繰り返してきたことで知られ、科学的・医学的知見をまるで無視したそれらの発言は滑稽ですらありました。 そんなトランプ大統領がコロナに感染したとのニュースは、大きな衝撃となって世界中を駆けめぐっています。 アメリカ大統領選の投票まで1ヶ月余り。既にテレビ討論会も行われている中、世界が今後の行方を固唾を呑んで見守っています。 |
感染は大統領周辺に広がっている!
2020年10月2日に発信されたトランプ大統領によるツイートは、ある意味アメリカの政治史に刻まれるツイートとなるでしょう。このツイートは現在も世界中に拡散されています。
今の時点でアメリカにおける新型コロナウイルスの感染者は「約736万人」、死亡者は「約20万人」を数え、当然のことながらホワイトハウスとて感染リスクとは無縁であるはずがありませんでした。
しかし、トランプ大統領とその側近者たち、そして全米の彼の支持者たちはコロナウイルスを過小評価することでマスク着用を頑なに拒み、むしろマスクを着けないことが勲章のようになっていた中で、今回の大統領のコロナ感染の報道は当然といえば当然の結果です。
そして、このコロナ感染劇はトランプ大統領だけに留まっているわけではありません。上のツイートにもあるようにメラニア夫人も同時に感染したことが分かっています。
ことの発端は大統領顧問であるホープ・ヒックス氏のコロナ感染だったと記憶します。彼女は大統領候補のテレビ討論会に同行するため、9月29日にトランプ大統領と共に大統領専用機「エアフォースワン」で移動し、翌30日にも大統領専用ヘリ「マリーワン」に同乗しています。
そして、ヒックス氏の陽性が判明したのが10月1日。その日の夜にはトランプ大統領夫妻の陽性も判明しました。検査に当たったのは大統領の医師であり海軍中佐でもあるショーン・コンリー博士。
コンリー博士は、”その時点で” 大統領と夫人は元気であることをメモに記しています(下写真)
大統領関係者のコロナ感染は、何もホープ・ヒックス氏だけではありません。
ホワイトハウスの元最高顧問であるケリーアン・コンウェイ氏については2日の夜、新型コロナに感染していたことが分かりました。
コンウェイ氏は、9月26日にホワイトハウスで行われた最高裁判事、エイミー・コニー・バレット氏を発表する「ローズガーデン式典」に参加していました。そして、この式典に参加した中から驚くべきことに、トランプ大統領を含む6人ものコロナ感染者が判明しているのです。
トランプ大統領の症状悪化!高熱も!
トランプ大統領は現地時間2日金曜日の未明、新型コロナに感染したことを伝えましたが、その後、同日の夜にワシントン近郊の医療センターに緊急入院しました。
ホワイトハウスによれば、トランプ大統領は高熱が出るなど一晩のうちに症状が悪化し、入院を決めたとのこと。治療には未承認の薬剤も使われる予定です。これはまさに壮大なる人体実験。いざとなれば大統領にすら未承認の薬を使うあたり、アメリカの恐ろしさを感じずにはいられません。
このように重症化の可能性も出てきたトランプ大統領。今後の病状はどのように推移してゆくのでしょうか?
トランプ大統領は年齢74歳、身長191cm、体重は111kgといったように肥満体の高齢者です。つまり、標準体型に比べ3倍もの入院治療のリスクを抱え、アメリカでのコロナによる死亡者の8割が65歳以上であることに照らし合わせると、重篤な合併症が最も高いカテゴリーに属していることが分かります。
普段から適度な運動を心がけていれば、コロナに感染した際の症状軽減に有効であるとされていますが、トランプ大統領は好きなゴルフをどれほどプレイできているでしょうか?
そういった点からも、今後の病状を予想するのは専門家でも困難であるようです。
トランプ大統領に最悪の結果が訪れた場合…
そのような事が起きないことを願ってやみませんが、トランプ大統領に最悪の結果が訪れた場合、可及的速やかに大統領の権限がペンス副大統領に移譲されることになります。
過去にケネディ大統領が凶弾に倒れた際、ジョンソン副大統領が飛行機内で慌ただしく大統領の宣誓式に臨んだ話はつとに有名です。今回の場合はペンス氏がわずか数週間の大統領の任に就くことになります。
ただし、次期の大統領についてはペンス氏がそのまま大統領候補になるわけではなく、また、副大統領候補がそのまま大統領候補になる、といったこともありません。共和党は再び全国党大会を開くか党の全国委員会を開き、あらためて候補者を決定します。
Trump! Good Luck!
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