「安倍首相とは雲泥の差」ローマ法王のとった行動がまさに神レベル!

人々
11月23日の訪日に先立ち、ローマ法王は日本に向け核廃絶への強い想いを発信している。

Introduction:雲と泥。「雲泥の差」とはよく言ったものです。

ホームレスや貧困者のために「昼食会」を催すローマ法王がいる一方で、後援者や有権者のために税金を私物化し「桜を見る会」なるものを開催してはばからない安倍首相。

この違い、この見識の差に、私たちはもっと意識的であるべきかもしれません。

そんなローマ法王が11月23日、いよいよ来日します!

弱者に手を差し伸べるローマ法王

ローマ法王と日本の安倍首相を比較するのは、ローマ法王と世界の約13億人にも上るカトリック信者に対して甚だ失礼かもしれません。
しかし、それでもこの記事については広く共有しなければならないと感じます。

11月17日、ローマ法王(第266代ローマ教皇フランシスコ)は、バチカン(ローマ法王庁)に約1500人ものホームレスや貧困者を招き、「昼食会」を開催したのです。

◆ 関連記事 ◆
 『法王、貧困者やホームレス1500人招き昼食会 「わが道急ぐ」社会を非難』

 ~2019.11.18 AFP BB NEWS~

ローマ法王は「社会には貧しい人々への無関心がある」とした上で、「 わが道を急ぐわれわれは、格差が拡大していることや、少数の者たちの欲望が他の多くの人々の貧困を増大させていることを、気にも留めていない」と、昨今の貧困格差問題を痛烈に批判しました。

そのような社会に対する強い想いが、今回の「昼食会」に繋がったと思われます。
この昼食会では、ラザニア、チキンナゲットのキノコとジャガイモのクリームソースがけ、デザート、フルーツ、コーヒーが振る舞われました。

貧しい人のための世界祈願日

実は、このような「昼食会」は今回が初めてではありません。
ローマ法王は、2017年に「貧しい人のための世界祈願日」を設立し、ミサが行われると共に「昼食会」も開催するようになりました。今回は3回目の昼食会です。

有権者の饗応接待に励む安倍首相

これと対照的なのが日本の安倍首相です。
つまり、格差の拡大や、少数の者たちの欲望が貧困を増大させていることを気にも留めない者の代表格である安倍首相が、どのような振る舞いをしているのかということです。

そう考えると、ローマ法王の「昼食会」と安倍首相の「桜を見る会」は実に対照的であることが分かります。

「桜を見る会」では、記録のある2014年度と比較すると予算が3倍、招待者も約1万8千人まで膨れ上がっており、その中には、どのような理由や経緯で招待されているのか不明な方が数多く含まれています。

また、約850人もの参加者を集め、ホテルニューオータニで開催された「桜を見る会 前夜祭」では、会費が通常の半額以下の5000円となっており、全体を通してみると、安倍首相の後援者や地元有権者への便宜供与は明白で、政治資金規正法や公職選挙法に抵触するのは濃厚です。

安倍首相もそうなのでしょうが、”各界で功労があった方々” と言いながら、桜を見る会に招待された方の中にも多くの ”格差や貧困を気に留めない者” が含まれているのかもしれません。

ローマ法王が日本にやって来る!

『焼き場に建つ少年』(撮影:ジョー・オダネル)

そんなローマ法王が、いよいよ日本にやってきます。11月23日から26日の4日間、日本に滞在し広島や長崎といった原爆の被爆地を訪れる予定です。

ローマ法王は、戦時中に長崎に進駐していた米軍の従軍カメラマン、ジョー・オダネル氏が撮影した『焼き場に立つ少年』に衝撃を受け、2017年にこの写真をカードに仕上げて教会関係者に配布した経緯があります。

この写真は原爆投下直後の長崎で、亡くなった弟を背負い火葬場で順番を待っている少年を撮影したものです。そして、この写真をみたローマ法王が「子どもにこういう顔をさせてはいけない」との強い想いを滲ませ、このことが今回の訪日へと繋がる一つの動機にもなりました。

アメリカでは、戦争を終わらせ多くの人々の命を救ったとして、原爆は「勝利の兵器」として正当化されています。また、当時のルーズベルト大統領の逝去に伴い、副大統領から大統領に就任したトルーマン大統領への、原爆投下の是非を疑う声はアメリカでは少数派です。

それでもローマ法王は、国家元首を務めるバチカンにおいて国連の核兵器禁止条約にいち早く批准するなど、核をめぐる平和活動に熱心に取り組んできました。ただ、残念なことに、日本は被爆国であるにも関わらず、アメリカの核の傘に依存し、核兵器禁止条約には冷淡な姿勢をとり続けています。

天皇明仁さまに会いたかった?

ここで気になるのは、今回のローマ法王来日の「時期」についてです。

実は、ローマ法王の今年中に来日したいという意向が明らかになったのは、昨年2018年の11月のことでした。

外遊中の当時の河野外相が、バチカンを訪問したことで明らかになりました。これが報道されたのは、2018年11月22日のことです。
河野外相はバチカンでローマ法王庁のギャラガー外務局長と会談し、ローマ法王の来日実現へ向け協議することで一致したわけです。

この時、ローマ法王は天皇明仁(現在の上皇明仁さま)さまの在位中である、今年の4月30日までに来日したかったのではないでしょうか?
なぜなら、今上天皇とローマ法王とでは、核廃絶に象徴される「平和への想い」については「完全一致」するからです。

しかし、実際はそうはなりませんでした。
ローマ法王の意向を受け、ようやく1年後に来日実現の運びです。

天皇明仁さま在位中のローマ法王の来日は、憲法9条改正を意図する安倍首相にとって実に都合の悪いことでしょうし、ここに首相官邸側の何らかの思惑があったとするのは筆者の考えすぎでしょうか?

残念ながら今回のローマ法王来日は、安倍首相の「桜を見る会」疑惑にかき消された感は否めません。

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