Introduction:もはや日本が沈没するまでの時間は残されていないのか?

主要国の中でも日本は生産性が低く賃金も低い。日本だけ時給が下がっています。要するに、日本だけが給料が減少しているわけです!

今回、日本の危機的状況を示す決定的なエビデンス(証拠)が突きつけられました。このことは『日本の成長は止まった』、あるいは『日本は終わった』と言ってもよいのかもしれません。

私たちは、今こそアベノミクスの大失敗を総括すべきです。そして、元凶となった安倍首相を放逐し、早急に経済を立て直さなければなりません。

2018年度は「ゼロ成長」だった!

12月10日に日本経済新聞より発信されたこの記事は、私たちにとって極めてショッキングなものでした。と同時に、この記事が内容とは裏腹に大きな話題となっておらず、いわば黙殺されている状況に違和感を覚えます。

単に気づいていないのか? 今さら当たり前すぎて騒ぐ気にもならないのでしょうか? その内容は――

内閣府がまとめた2018年度国民経済計算の年次推計で、物価変動の影響を除いた実質国内総生産(GDP)は前年度比0.3%増にとどまった。総合的な物価の動きを示すGDPデフレーターは0.2%低下し、名目成長率(0.1%)が実質成長率を下回る「名実逆転」が2年ぶりに生じた。19年度に消費増税を控えながら、ほぼゼロ成長でデフレの影もちらつく状況だったようだ。
~2019.12.10 日本経済新聞
「18年度ゼロ成長に、デフレの影も GDP年次推計」

上記の記事は「GDPデフレーター」が前年比でマイナスになったことを伝えるものですが、これを読んでもピンとこない方もいるかもしれません。しかし、これは非常に重要なので、ここで分かり易く解説いたします。

この記事では「GDP」に関する3つの用語が登場しています。まず、それらの意味について説明します。

名目GDP生産数量に市場価格をかけて算出されたものの合計  
(金額ベースでの評価)
実質GDP名目GDPから物価変動による影響を差し引いたもの
(数量ベースでの評価)
GDPデフレーター名目GDP ⇒ 実質GDP に変換する際の「指標」

パン屋さんを例にしてみましょう

1年目、1個200円のパンが1万個売れたとします。
 200円 × 1万個 = 200万
この場合の「名目GDP」「実質GDP」は以下の通りです。
・名目GDP:200万円
・実質GDP:200万円

2年目、パンが220円に値上がりし、1万2000個売れた場合
 220円 × 1万2000個 = 264万円
この場合の「名目GDP」「実質GDP」は以下の通りです。
・名目GDP:264万円
・実質GDP:240万円(※)
 ※物価上昇分の20円を除いて計算(200円×1万2000個=240万円)

「GDPデフレーター」は名目GDPと実質GDPの除算より求められるので、
 〔 ※「GDPデフレーター」= 名目GDP ÷ 実質GDP 〕
例のパン屋さんの場合、GDPデフレーターは 〔264万円 ÷ 240万円 = 1.1〕ということになります。

GDPデフレーターが「1以上」であれば、基準年と比べ物価が上昇 (インフレ)していることになり、
GDPデフレーターが「1未満」であれば、基準年と比べ物価が下落 (デフレ)していることになるのです。  

つまり、このことから分かるのは、
「名目GDP>実質GDP」の場合はインフレ。
「名目GDP<実質GDP」の場合はデフレ、
ということです。

もう日本はデフレから逃れられない!

あらためて、日本経済新聞のグラフを見てみましょう。
記事には《GDPデフレーターは0.2%低下し、名目成長率(0.1%)が実質成長率を下回る「名実逆転」が2年ぶりに生じた》とあります。そして、18年度のGDPデフレーターがマイナス値を示していることから、日本は相変わらず完全なまでの「デフレ基調」にどっぷり浸かっていることは、もはや誰も否定できないのです。

Photo by : OECD(経済協力開発機構)
「 実質賃金指数の推移の国際比較 」

そして、上記のOECDによる「実質賃金指数の推移の国際比較」に目を転じると、1997年を100とした場合、主要各国の賃金は右肩上がりで推移しているにも関わらず、唯一日本の賃金だけが減少しているのです。(※2018年も低い水準のままです)

つまり、「給料が減る」⇒「お金を使わない」⇒「モノが売れない」⇒「企業の売上が減る」⇒「給料が減る」といった ”デフレ・スパイラル” から、日本は未だ1ミリも抜け出せていないのです。

アベノミクスは大失敗だった!

安倍首相が提唱した「アベノミクス」の三本の矢とは、「大規模な金融緩和」「拡張的な財政政策」「民間投資を呼び起こす成長戦略」のことを指します。

このうち、2番目、3番目の「財政政策」や「成長戦略」はどこかに飛んでしまい姿かたちもありませんが、それらについてはここでは触れません。なぜなら、アベノミクスの眼目は一にも二にも「金融緩和」に他ならないからです。

この「金融緩和」政策では、日本銀行(日銀)が民間銀行から国債を大量に購入しお金を供給すれば、民間銀行は次々にこのお金を積極的に融資するようになり、市中にお金が回るようになるはずだと想定されました。そして、このような日本銀行が実施する量的金融緩和政策により、2%のインフレを目指すというのです。

まさに「インフレターゲット」政策ですが、いざ蓋を開けてみると想定したようにはお金が回ることはありませんでした。

結局、消費税はすべてにおいて元凶となる!

その原因の一つが「消費者心理(マインド)」
すなわち、市井の人々の財布の紐は、思いのほか固かったということ。
そして、忘れてならないもう一つの原因が、2014年4月から施行された消費税増税(5% ⇒ 8%)です。

筆者は2014年の消費税増税こそが、アベノミクスの魂を抹殺してしまったと考えています。

経済というのは、人間心理に左右されることを無視してはならないと考えます。あの当時、「これはもしかしたら景気が良くなるかも・・・」といった人々の淡い期待感を、ものの見事に踏みにじったのが消費税増税でした。

くどいようで申し訳ありません。上に示した「GDPデフレーター」のグラフをもう一度見てください。

このグラフは何年に頂点を形成しているでしょうか?
――そうです、2014年ですね。
この時に増税された消費税が、人々の消費マインドに止めを刺したのです。

アベノミクスが始まった2012年と直近の2018年を比較すると、物価が約6.6%上がったことが分かっています。そのうちの2%がこの消費税増税によるもの。残り4.6%が円安によるものと考えられています。

しかし、上述したように賃金はずっと下げ止まりの状態が続いているため、そんな中での物価上昇は人々の暮らしをさらに圧迫させ、消費を冷え込ませる原因となりました(デフレ・スパイラル)

このように、安倍首相が行った経済政策では、まさにアクセルとブレーキを同時に踏み込むようなことが平然とまかり通っていたわけです。

株価が上がり大手企業が儲かっただけ

さて、民間銀行に溜まったお金はどこに行ったのかと言えば、それは金融市場に他なりません。手元に多くのお金を置いても仕方がないので、民間銀行は株式や債券を購入していくことになります。

株式市場は活況を呈し、大企業を中心に株価上昇が続きました。
安倍首相が日経平均株価は好調だと言って胸を張っていたのは、この辺に事情があります。そして、日銀が追加の金融緩和を発表するたび、株式市場が反応するようになりました。”官製相場” と言われる所以です。

また、輸出を手掛ける大企業は、円安のお陰で大きな利益を得ることもできました。これらのお金は現在も労働者側に還元されることなく、”内部留保” となって企業側に蓄積されています。

アベノミクスによりお金は株式市場に吸い上げられ、大手企業を潤しはしたものの、実体経済の成長には何ら寄与しませんでした(現状を見ればそう言う他ありません)

一般の国民は株式の恩恵などほとんど受けることなく、物価上昇に対し給料が上がることもなく、年々 ”貧乏” になってゆく・・・

これらが「アベノミクス」の本質です。

私たちはすぐにでも安倍首相を政権の座から引きずりおろし、早急に対策を講じなければなりません。安倍首相は「憲法改正」などと世迷言と言ってますが、今は改憲の是非などはっきり言ってどうでもよいことです。

日本を沈没させないためにも、今やるべきは「経済対策」。――これしかありません。

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