世耕弘成・前経済産業相が民間人を提訴 ~スラップ訴訟が中野昌宏 教授を襲う

世耕弘成氏
Photo by : Bloomberg
Japan Payoff Scandal Becomes Headache for Abe’s Ruling Party
Hiroshige Seko Photographer: Andrey Rudakov/Bloomberg

Introduction: これは典型的な「スラップ訴訟」です。

世耕弘成・前経済産業相が、青山学院大学教授・中野昌宏氏の Twitter への投稿が名誉棄損に該当するとして東京地裁に提訴しました。

がしかし、中野氏は「世耕弘成氏は、日本会議と繋がる原理研究会(統一教会)の出身である」としか言っておりません。

もし、これが名誉棄損であるとするならば、”統一教会は名誉棄損に値するような団体である” ことを世耕弘成氏が自ら認めたことになりますが・・・

スラップ訴訟とは何か?

「スラップ訴訟」とは、 ” Strategic Lawsuit Against Public Participation ” の頭文字「SLAPP」から由来し、直訳すれば「市民参加を排除するための戦略的訴訟」となりますが、一般的には権力を握る者が個人を恫喝し、萎縮させる目的で訴訟を起こす「恫喝訴訟」「威圧訴訟」の意味として用いられています。

今回、世耕弘成・前経済産業相が、青山学院大学教授・中野昌宏氏を相手取り東京地裁に提訴したのは、まさに「スラップ訴訟」の典型事例と言えそうです。

世耕氏は、中野氏が Twitter に投稿した内容が名誉棄損だとして150万の損害賠償と謝罪文の掲載を求めていますが、さて中野氏が Twitter に投稿したのはどのような内容だったのでしょうか。

中野昌宏教授は何をツイートしたのか?

中野昌宏氏
Photo by : 中野昌宏氏のTwitter

中野教授が Twitter上でどのようなツイートをしたのかは興味深いところですが、ここに示したように、「世耕弘成氏は、日本会議と繋がる原理研究会(統一教会)の出身である」と投稿したに過ぎません。

今回、何が驚いたかと言えば「原理研究会 ≒ 統一教会 ≒ 世耕弘成」というのはよく知られたことだと思っていた矢先、今さらながらこのような訴訟が提訴されたことです。

というのも、インターネットで 「原理研究会、統一教会、世耕弘成」をキーワードに検索すると、星の数ほど検索結果が湧いて出てくるからです。

しかも、中野教授は上記のツイートを見る限り、原理研究会や統一教会の中身については触れていません。良い団体とも悪い団体とも言っていません。
一体、これのどこが名誉棄損なのでしょうか?

スラップ訴訟で自分の首を絞める世耕弘成氏

スラップ訴訟はその名が示すように、事前警告的な意味を持ちます。
「――この辺にしておかないと後々大変なことになるぞ」といったようにです。
150万円といった微妙な損害賠償も、そのことを物語っています。

要するに、お金ではなく、世耕氏は中野教授を黙らせたいわけなのです。
そして、中野教授をスケープゴートにすることで、世耕氏に対する世間の発言を抑止する狙いもあります。今回の事例がスラップ訴訟の典型と評価する所以です。それだけ、世耕氏は別のところに世間に突かれたくない傷を負っていると思われます。

冒頭の世耕氏の画像は Bloomberg からの引用ですが、この記事では現在世間を騒然とさせている関西電力の金の問題について、関西電力の関連会社から当時の経済産業相だった世耕弘成氏の元に、600万もの政治資金が流れたことを伝えています。

今回、世耕氏が起こしたスラップ訴訟で、むしろ世耕氏の政治資金問題がクローズアップされるかもしれないとしたら、世耕氏にとっては実に ”やぶへび” だったことになります。

そもそも裁判として成り立つのか?

今回、中野教授は「世耕弘成氏は、日本会議と繋がる原理研究会(統一教会)の出身である」としか言っていないわけで、本質的には 「世耕弘成は自民党出身だ」といった発言と同じレベル感になります。

果たして、これで裁判が成り立つのでしょうか?

もし、これが名誉棄損であるとするならば、”統一教会は名誉棄損に値するような団体である” ことを世耕弘成氏が自ら認めたことになります。

ちなみに、自民党議員の面々が統一教会の国際会議に出席した、といったニュースが広く知られている中で、このような訴訟を起こすのは、むしろ世耕弘成氏にとってヤバいのではないかと思われます。

中野教授は10月25日に行われた第一回の口頭弁論で、この訴訟は「スラップ訴訟である」として控訴の棄却を求めましたが、これは当然のことです。

しかし、裁判がその後も継続していることから、今後の行方が非常に気になるところでもあります。

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