『コロナ休業⇒コロナ失業』へ ~歴史的な失業時代が到来する

経済

Introduction:暗黒の日本経済へようこそ! 今、日本の経済のあらゆる面に眼を向けたとしても、良い兆候など何一つとして見つけることはできません!

国内経済はブラックホールの中にあり、今後もさらなる深みにハマってゆくでしょう。

この国は約400万の休業者と約200万の失業者を抱え、1割以上の企業はコロナ倒産し、有効求人数に至っては1963年以来、統計史上最悪です。

何年後に日本は復活できるのか? 3年後ですか? 5年後ですか?
──歴史的失業時代到来の予感がしています。

異様に多い休業者と高い失業率

竹中平蔵氏は、東京都議選では東京の巨額の資産を売却する議論が不可欠である言う。「東京都には、売れる資産が山ほどある」そうだが、一体彼は ”どこへ” 東京の資産を売ろうとしているのか?そして、それは本当に市場を活性化させ、経済浮揚に繋がるのだろうか?

新型コロナウイルスの世界的な蔓延により、日本を含め世界中で外出自粛要請やロックダウン(都市封鎖)が長期化の様相を呈し、実に多くの労働者が自宅待機を強いられました。

そして、端的に言えば医療関係や食料品関係など、生活に必要な業種、物理的に自宅待機が不可能な業種以外の労働者は全て、自宅での待機生活が続いたと言っても過言ではありません。

そのような状況で社会的な問題として取り上げられたのが「休業者」の数です。これは、新型コロナで仕事はせず自宅待機などを強いられているが雇用契約は維持しており、とりあえず給与は支払われている労働者の数のことです。

この休業者が、今年の4月には実に「600万人」にも達したことが分かっているのです。この数値は翌月には減少傾向を見せたものの、それでも5月の休業者は「423万人」にも上っていました。

休業者の数
  4月    600万人  
  5月    423万人  

総務省が6月30日に発表した5月の労働力調査では、新型コロナウイルスの影響による「完全失業率」は、前月4月から「0.3ポイント」上昇し「2.9%」になったことが分かりました。──これは3年ぶりの高い水準であり、歴史的な数に膨れ上がった休業者の一部が、失業者へと移行し始めている状況を端的に表すものです。

失業者失業率休業者
4月178万人2.6%600万人
5月198万人2.9%423万人

この総務相の統計によれば、4月に600万人にまで膨らんだ休業者のうち、5月でも休業を継続していたのは約5割でした。しかし、1.7%は失業者となり、さらに4.9%は失業者となった後に仕事探し自体を完全にやめてしまい、労働市場からの完全撤退を余儀なくされました。つまり合わせて「6.6%」が職を失ったことになります。

ちなみに、「失業者となった後に仕事探し自体を完全にやめてしまった・・・」という4.9%は、おそらくは高齢の労働者であると考えられます。つまり、新型コロナの感染リスクを避けたい、またはテレワークといった業態に馴染めないといった理由で求職を諦めてしまったのではないかということです。

高齢の労働者も激減している

この高齢者の就業者数は、別の意味で大きな問題を孕んでいます。これまで政府は「人生100年時代」を掲げて高齢者の就労を推進してきましたが、新型コロナ禍によりその労働人口は急激に減少しています。

総務省の調査では、4月の就業者数は前月3月と比較して107万人減少しましたが、特に65歳以上の減少幅が大きく、前月比「33万人減少」の「877万人」となり、8年ぶりに900万人を割ってしまいました。

実は、感染リスクなどを恐れ、求職をやめてしまった高齢の労働者は「非労働力人口」という扱いとなり、統計上は失業者としてカウントされません。しかし、これらの高齢労働者の大部分はコロナ禍さえなければ働いていたと考えられることから、本来は失業者の範疇として見なされるべきです。

そういった現状を踏まえると、今年の年末から来年の初めにかけ、失業率が「4~6%」になってしまうといった大手シンクタンクの予測もあります。

今後もコロナ倒産が増えてゆく

政府は中小企業や個人事業主を救済するために「持続化給付金」なる制度を設けましたが、ほとんど行き渡っていませんし、”中抜き” などの問題も取り沙汰されている始末です。

そんな中で、”コロナ倒産” は確実に増加しています。
新型コロナウイルスの感染拡大が影響した倒産は、6月の1カ月間で「103件」に達したことが東京商工リサーチの調査で分かりました(負債額1千万以上、準備中含む)

倒産
件数
(全国)
コロナ
倒産
件数
倒産率
※1
2月651件2件0.3%
3月740件22件3.0%
4月743件84件11.3%
5月314件83件26.4%
6月780件103件13.2%
※1:倒産率:倒産件数全体に占めるコロナ倒産の割合

2月からの推移を見れば、月を追うごとに ”コロナ倒産” が増加しており、6月に入り休業要請が大幅に緩和されてもなお、倒産ペースは緩やかになっていないことが分かります。

ただ、今年5月の全国の倒産件数は、56年ぶりの低水準になったこともあり倒産率が26.4%と大きな数値となりましたが、4月以降の状況から推測すると今後もコロナ倒産は全体の「10~15%」で推移するものと思われます。

失業者は増え、求人倍率は減る

出典:朝日新聞「5月求人倍率0.12ポイント悪化 1.20倍 下げ幅、過去2番目」

失業者が巷に溢れ、コロナ倒産も増加の一途を辿っている。では、求人の状況はどうかと言えば、申すまでもなく ”悪化” しています。

厚生労働省が6月30日に発表した「有効求人倍率」は、前月比で0.12ポイント低い「1.20倍」となりました。これは第1次オイルショック後の1974年1月の0.20ポイント減に次ぐ、過去2番目に低い下げ幅です。

さらに「有効求人数」で言えば実に「8.6%減」となり、これは1963年の統計開始以来、最悪の減少幅です。

その一方で、求職者数は0.7%程の増加傾向が見られますが、自粛していた求職活動を再開する動きと見られています。しかし、どうでしょう?この状況で再就職は極めて困難なのではないでしょうか?

歴史的な失業時代が到来する!

新型コロナウイルスの影響で、現在の日本は多くの休業者と失業者を抱え、企業は倒産し、求人も減り続けている状態です。

これは日本のみならず、多かれ少なかれ世界も同じ状況だと言えるでしょう。同じ傷を負っているという意味で、他国と日本は同じスタートラインで経済再生を図ってゆかねばならないのですが、果たして日本は立ち直ることができるのか?以前と同じような経済レベルにまで復活することができるでしょうか?

もしかしたら、それは困難な話かもしれません。

アベノミクスの失敗。度重なる消費税増税。日本経済には明らかな退潮傾向が見られました。その前提での新型コロナ禍です。
日本経済の復活は3年後?5年後?

あるいは ”暗黒のトンネル” から抜けることはできないかもしれません。明らかに、歴史的失業時代到来の予感がしています。

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