Introduction:米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば、日本時間6月28日午後7時時点で、世界の新型コロナ感染者数が1000万人を超えました。そして、死亡者も50万人に上っています。
これらの状況は、中南米での急激な感染拡大、アメリカでの感染 ”再拡大” が大きく影響しています。
実は、世界の新型コロナ感染の加速度は増す一方の状況であり、直近1週間で新規感染者の最多を記録したのは、中南米を中心に60カ国に及んでいます。また、感染 ”再拡大” の可能性がある国は40以上!
──6月の終わりに差し掛かった今、これが世界の ”現実” です。
世界では感染拡大に歯止めがかからない
新型コロナの感染状況を世界レベルで俯瞰すると、ここにきてむしろ加速していることが分かります。
2019年末、中国からWHOに初めて感染が報告されてから100万人を超すまでに要した期間が約3カ月。しかし、そこから約1カ月半で500万人を超え、さらに約1カ月で900万人を超えたかと思ったのも束の間、現在では1000万人超の感染者が報告されています。この直近1週間の世界の新規感染者数は1日当たり13万人~19万人で推移しており、これは過去最高の数値です。
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によれば、直近1週間で最も感染が多かった国はアメリカ(約25万人)、ブラジル(約24万人)、インド(約11万人)となっており、特に最近ではブラジルを中心に中南米の感染拡大が顕著に表れています。
つまり、このたった1週間で、世界の新規感染者数は「100万人」を超えているのです。
アメリカの感染状況
アメリカについては、6月24日に過去最多の新規感染者「3万6千人」を記録したばかりですが、わずか2日後の6月26日にはさらに記録を更新し、その数「4万4千人」を超えてしまっています。
アメリカでは現在、約254万人の感染が報告されていますが、アメリカ疾病対策センター(CDC)では抗体検査などの結果をもとに、アメリカにおける実際の感染者は約10倍に達するのではないかと推計しています。つまり、単純に計算すれば「約2500万人」が感染している疑いがあるというのです。
このような状況を受け、特に感染被害が深刻なフロリダ州とテキサス州では、5月の下旬に再開していた経済活動について、再び活動の制限に踏み切りました。
ブラジルの感染状況
ブラジルの感染者は現在134万人であることが分かっており、これはアメリカに次ぎ世界2位の感染者数です。直近1週間で約24万人もの感染者を出したことは上述の通りですが、これはボルソナロ大統領の ”悪政” が大きな原因と言われています。
これまでボルソナロ大統領は、新型コロナウイルスを「ただの風邪のようなものだ」と軽視し、「人間はいつか死ぬ」と諦念めいたことを言っては効果的な対策を怠ってきました。さらにこの大統領は、商業の自粛や外出自粛を発令した地方の首長を激しく攻撃、自ら外出自粛に反対するデモに参加する有様です。
このトランプ大統領信者の暴君は、ブラジル公共医療の ”最大の脅威” として非難を浴びており、さらには新型コロナに関するデータ隠蔽の疑惑すら持たれています。つまり、ブラジルの感染者数は公表されている数値より、さらに大きい可能性があります。
結局のところ、アメリカやブラジルが感染で突出しているのは、経済を優先するあまり感染対策に消極的になっているのが原因であることは間違いないと思われます。
次にやって来るメキシコ
世界の中でも、極めて深刻な感染リスクに晒されているのがメキシコです。
6月29日時点のメキシコの感染者数は「約21万6千人」で、これは世界11位に記録されています。
しかし、上に掲げた日本貿易振興機構(ジェトロ)が29日に発信したビジネス短信は、メキシコの極めて深刻な状況を浮き彫りにしています。
注目すべきは「感染確定率」です。
メキシコの全32州の内、実に約78.1%に相当する25の州で「感染確定率」が40%を超える ”赤” に色分けされているのが分かります。そして、この「感染確定率」の平均は「54.8%」
つまり、陽性率が50%を超えてしまっているわけで、PCR検査を実施すれば半数以上の人間が陽性になってしまうことを示しています。
これは実に恐ろしい数値です。
メキシコ国立自治大学の推計によれば、今年の10月までに感染者数が現在の12倍、約259万人に達する可能性を指摘しています。これは現在のアメリカの感染者を超える数値になっており、今年の秋にはアメリカと並び感染者の双璧を為すものと考えられます。
このように、世界の新型コロナ感染の勢いは実は増すばかりの状況であり、直近1週間で新規感染者の最多を記録したのは、中南米を中心に60カ国に及んでいます。また、感染 ”再拡大” の可能性がある国は40以上。
──6月の終わりに差し掛かった今、これが世界の ”現実” です。
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