安倍首相はなぜ、アメリカに媚びるのか?

国内政治

Introduction:安倍首相は韓国への輸出制限を厳しくするため、半導体材料の3品目について審査を厳格化し、友好国の指定を取り消すことを既に決定しています。

これは元徴用工の問題をめぐり、なかなか解決しようとしない韓国に対する対抗措置と見られています。

これでは、現在アメリカが中国に対し行っている経済制裁の構造と何ら変わりありません。安倍首相は宗主国アメリカの顔色を伺い、アメリカの真似をすることで虎の威を借る狐に堕したかのようです。

ちなみに、6月に閉幕した日本が議長国を務めたG20で、安倍首相はどのような首脳宣言をしたか?
「自由、公平、差別のない貿易と投資環境の実現に向け努力」すると宣言したのではなかったのか? ここでも、議長自らG20の精神を反故にしています。

なぜ安倍首相はアメリカに対し必要以上に媚びへつらい、アメリカの真似事ばかりするのでしょうか?

安倍首相の学歴詐称問題について

例えば、自民党の森喜朗・衆議院議員は早稲田大学の雄弁会出身ということで広く知られていますが、実際のところ雄弁会には確かに所属していたものの、大会に出場したという実績や経験はありません。

同様に、早稲田時代ではラグビー部に所属していたことでも有名で、日本ラグビーフットボール協会の名誉会長も務めていますが、彼はラガーマンとしてスターティング・メンバーにも入っていなかったどころか、部員としてのキャリアは数カ月程度でしかありませんでした。

実は、これに似たようなことが安倍首相にもあります。
彼の学歴は成蹊大学卒業となっておりますが、ひと頃までは「1977年3月 成蹊大学法学部政治学科卒業 引き続き、南カリフォルニア大学政治学科に2年間留学」と、後援会パンフレットや、インタビュー時のプロフィールにはそのように記されていました。

この留学について実際はどうだったかと言えば、確かに安倍晋三氏は南カリフォルニア大学に在籍していたものの、それは1978年の春期、夏期、終期のみで、しかも専攻など無かったことが分かっています。

取得した講座は6つで、そのうち3つは外国人向けの英語講座であったことから、到底卒業できるような単位は取れませんでした。

また、その1年前の1977年はどうしていたかと言えば、成蹊大卒業後、安倍氏は南カリフォルニア大学ではなく、同じカリフォルニアにある語学学校に通っていたことが分かっています(周りは日本人ばかりでした)

つまり、安倍首相はアメリカの大学で政治学を専攻していなかったばかりか、「海外留学経験」といった学歴そのものを ”詐称” しており、実態は ”海外遊学” でしかなかったわけです。
これは、現在の安倍首相が「外交」ではなく、”外遊” ばかり繰り返していることと根は同じです。

その後、「南カリフォルニア大学政治学科に2年間留学」という文言は、安倍首相の経歴から抹消されました。

アメリカでホームシックになった ”お坊ちゃま”

安倍首相の ”遊学” 体験は最初の1年が「語学留学」で、その後、南カリフォルニア大学に入学したものの、肝心の政治学すら専攻しないまま、約1年3ヶ月であえなく挫折してしまいます。

実は、当時の安倍氏はホームシックにかかってしまい、毎日のように東京の自宅にコレクトコールをかけてきたようです。その電話料金が月に10万円にも達し、父親の安倍晋太郎の逆鱗に触れることとなりました。

また、寂しさのあまり、友人にも頻繁に手紙を書いているなどしていることから、勉学にまるで身が入っていないだろうとの事で、結局、彼は帰国させられたわけです。

ちなみに、加計問題で世間を騒がせている「加計孝太郎」氏とは、このカリフォルニア時代に出会っています。

安倍首相は ”強い側につく病” を自ら体現している

しかし、晋三は違った。生育過程や青年期を知る人々にいくら取材を積み重ねても、特筆すべきエピソードらしいエピソードが出てこない。悲しいまでに凡庸で、なんの変哲もない。善でもなければ、強烈な悪でもない。取材をしていて魅力も感じなければ、ワクワクもしない。取材するほどに募るのは逆に落胆ばかり。正直言って、「ノンフィクションの華」とされる人物評伝にふさわしい取材対象、題材ではまったくなかった。
~ 青木理『安倍三代』(朝日文庫)~

「強い側につく病」というものがあります。

己の信念でもいいし、自分の「こだわり」でもいい。これだけは人に譲れない、つまり生きる上での人生哲学といったようなものを (たとえ、それが誤っていたり不謹慎なものであったとしても) 大概の政治家は持っています。

だからこそ政治家になった、とも言えるのですが、安倍首相の場合(間違いなく)そのような哲学が、ない。

そのような人間がひとたび政治家になったら、どうなるか? ましてや首相にでもなろうものなら、どうなるか?――「強い側につく病」に罹患するのです。

安倍首相にとって幸いしたのは、アメリカという「絶対的に強い存在があった」ことです。

そして、この病の恐ろしい点は、一旦この病にかかった人間は対象となる強い存在が「強い存在であり続けること」に自己利益を重ね、たとえ破滅に向かったとしても従うしかなくなることです。

これは、70年以上前の戦後に、日本人が集団感染した病であり、トップだけでなく底辺で従う者たちも自分の誤りを認められなくなり、今も日本は安倍首相を頂点に据え、アメリカに従属するといった誤った道を邁進しているわけです。

かねてより、疑問に思っていることがあります。

安倍首相の人格や人柄を慕っている人などほとんど見かけないし、自民党の政策が本当に素晴らしいと思って支持する人もほとんど見かけないのに、なぜ、安倍首相の支持率は高いのか? といった疑問です。

しかし、今はその疑問は氷解しています。
安倍首相周辺の支持者や、自民党支持者は、その粗方が「強い側につく病」冒されていることを発見したからです。

日本国民が覚醒し、安倍首相とはまったく異次元の人物を首相にしない限り、この病はこれからも日本を蝕んでいきそうです。

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