河井克行・案里夫妻 逮捕!~それでも案里「裁判で勝てますよ!」

国内政治

Introduction:満を持してと言いますか、河井克行・案里夫妻が6月18日、逮捕されました。

これは現職の国会議員夫婦が同時に逮捕されるといった前代未聞の不祥事であり、この夫婦の醜悪ぶりが次々と暴かれ始めています。

しかし、これで実態は一気に進むかと思いきや、河井案里 ”容疑者” の捜査担当検事が自殺していたことも明るみとなり、事態は不穏な空気に包まれています。

そんな中、「裁判で勝てますよ!」と強気の姿勢を崩さない案里・容疑者。事によっては劇場化した事件となりそうな予感がします。

現職の国会議員夫婦の逮捕は初めて

6月18日のTBSラジオ『生島ヒロシのおはよう一直線』のゲスト・コメンテーターは、自民党の元防衛大臣である小野寺五典氏でした。彼が言うには、「港区赤坂の議員宿舎の玄関前には大勢の報道陣が詰めかけ、辺りは異様な緊張感に包まれている」とのこと。つまり、報道陣たちは朝の6時前から、河井克行・案里夫妻を待ち構えていたことになります。

そんなメディアの熱気の中で、河井克行・案里夫妻が18日、公職選挙法違反の疑いで検察当局により逮捕されました。現職国会議員の夫婦が逮捕されるのは初めてのケースです。二人は2019年7月の参議院選挙で、広島県の地元議員らに票の取りまとめを依頼。およそ100人に総額2600万円以上の金を配った公職選挙法違反の疑いが持たれています。

河井夫妻をめぐっては、同じく2019年の参院選で車上運動員(ウグイス嬢)に違法な報酬を払ったとして、公職選挙法違反を問われた河井案里・容疑者の公設秘書である立道浩被告に対し、懲役1年6月、執行猶予5年の判決が言い渡されたばかりです。

河井克行はセクハラ・パワハラの常習者

大のアライグマ好きで、アライグマのグッズを収集している河井克行・容疑者。顔つきもそこはかとなくアライグマ系の雰囲気を醸しているものの、その素顔はセクハラ、パワハラのオンパレードだったようです。

秘書に対する暴力はつとに有名で、運転手をしていた秘書に対しては後部座席から肘を蹴り、頭を殴るといったように暴言、暴力は日常茶飯事だったといいます。さらに、車の運転(本人は運転しないのですが)にも問題があり、秘書はいつもスピード違反も強要されていたとか──

そんな、克行・容疑者は彼が出馬した衆院選で、休憩用に借りていた選挙事務所近くのホテルにウグイス嬢を連れ込んだことがあります。そこで何をしたのかは想像にお任せしますが、ウグイス嬢に対する問題は違法報酬だけではなかったということ。さらには、案里・容疑者と結婚した後に、テレビ局の女性記者と不倫関係にあったとの話も漏れ聞こえてきます。

塩村あやか参議院議員を尾行していた

中でも極めて嫌らしいと思われるのは、立憲民主党の参議院議員、塩村あやか氏の尾行問題ではないでしょうか。

2017年の衆院選において克行・容疑者はどうにか当選を果たしたものの、同じ広島三区から対抗馬とした出馬した塩村氏に対し過剰な警戒心を抱いたことから、人を使って彼女を3カ月にわたり ”尾行” させていたことが分かっています。

金の問題や男性関係を探ることが目的でしたが、塩村議員には何ら不審な点はありませんでした。

克行・容疑者は元警察関係者にこのような汚れ仕事をさせていたわけですが、奇妙なことに、その報酬70万円は横浜の某コンサル会社を迂回して支払われていた模様です。

克行・容疑者がなぜ、このような面倒な手続きを踏んでいたかについて、一つには政治資金の虚偽記載を目的としていたのは分かっていますが、詳細についてはまだ判明していません。

河井案里は「裁判で勝てますよ」と言った

総額2600万円以上の金を配ったとされる公職選挙法違反の疑いについて、当の案里・容疑者はどのように捉えているのでしょうか?

彼女はインタビューに対し、次のような趣旨の発言をしたことがあります。
「議員への陣中見舞いや当選祝いを、選挙の前に持っていけば全て買収になってしまう。であれば、他のみんなも公職選挙法違反で捕まってしまうのではないか──」

そう前置きした上で、だからこそ「私は裁判で勝てますよ」と主張しているのには驚きを禁じ得ません。つまり「政治家なら誰でもやってるじゃん!」と言っているわけです。

たしかに、自民党の国会議員と地方議員の政治団体間における「寄付」であるならば、適正に処理されていれば法的には何ら問題はありません。そのためには「領収証」などの必要な証跡が発行され、政治資金報告書上にも記載される必要があります。ところが、河合夫妻が行ったように領収証の取り交わしもなく、直接金を握らせる方法は公選法で禁じられた ”買収” 以外の何物でもないのです。

案里・容疑者の担当検察官が自殺した

そのような河井克行・案里夫妻の逮捕劇と期を合わせるかのように明るみになったのが、河井案里・捜査担当検事の自殺です。

亡くなったのは、広島市内のマンションに住む30代の検事で、2年ほど前に東京地検から移動してきたばかりでした。遺書はなく動機も不明。電話が繋がらず、出勤してこないことを不審に思った同僚検事が自宅マンションを訪ねたところ、部屋で亡くなっているのを発見されました。

日本において現職の検事が自殺するのは極めて稀のようですが、この件については分かっていない点が多すぎます。どのような手段で自殺を図ったのか? 発見された時はどのような状況だったのか? 遺書はないとされていますが、それは本当なのか?

一部の人間を除いて情報が伏せられていたにも関わらず、案里・容疑者がこの事を知っていたのはなぜでしょうか? 彼女は「これは不祥事であり、自分たちに何かあれば暴露する」と周囲に息巻いているとか──

というのも、この30代検事の自殺の背景には、上司からのパワハラがあったのではと、まことしやかに囁かれているからです。そして、案里・容疑者は事実関係を「私も知っている」と言いたいのでしょう。そのことも「私は裁判で勝てますよ」発言に繋がっていると思われます。

本来であれば、今回の河井克行・案里夫妻の逮捕は、安倍政権が吹き飛んでも全くおかしくない案件です。何と言っても安倍首相が蒔いた種(1億5000万円)により、こともあろうに元法務大臣とその妻である参議院議員が逮捕されたわけですから。

しかし、安倍首相は18日の記者会見では「責任を痛感する。国民にお詫び申し上げる」と語ったのみで、相変わらず責任を取ろうとしておりません。ここに日本の度し難い政治の劣化を見ることができます。逮捕すべき本丸は河合夫妻ではなく、別のところにあることはもはや明白です。

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