【悲報】萩生田光一 文部科学大臣は絶対に更迭されません。その理由をお話しします。

国内政治

Introduction:メロンを贈って経済産業相をクビになった菅原一秀氏がいて、ウグイス嬢への違法買収で法務相から退散した河井克行氏といった面々がいます。

これら ”辞任ドミノ” は安倍第一次政権の ”悪夢” を彷彿とさせますが、さて、”身の丈” 発言で世間から大ひんしゅくを買っている萩生田光一氏は、文部科学相を更迭されるのでしょうか?

結論を申せば、それはあり得ないと考えます。

今回は現在展開されている政局も眺めながら、萩生田文科相についてひとくさりお話しします。

源流は岸信介にあります

岸信介と言えば、紛れもなく安倍首相の母方の祖父として広く知られていますが、政治家としての実績としては良し悪しは別にしても、やはり1960年の「新安保条約」ということになろうかと思います。

しかし、岸信介の本来の目的は新安保条約ではありませんでした。
戦後、彼はA級戦犯として巣鴨プリズンに収監されていましたが、不起訴となり釈放されました。その後、政界を目指したのですが、その際の本当の目的こそが「憲法改正」であったわけです。

1955年の保守合同(当時の日本民主党と自由党が合同し、「自由民主党」が結成されたこと。55年体制の成立)の際、自由民主党の党是に「憲法改正」を加えたのも他ならぬ岸信介です。そして、2年後の1957年には、内閣に「憲法調査会」も設置しています。

安倍が政治家になった最大の目的を端的に言い表せば、廃墟から立ち直り経済的な豊かさを得たこの国の「戦後の仕組み」を変えていく――ことだった。
とすれば、<時代の要請でもある>と認識し<何としてもやり遂げたい、やり遂げなければならない>とする憲法改正が安倍のプライオリティとして最も優先される一つになるのも必然だった。
~野上忠興『ドキュメント 安倍晋三 隠れた素顔を追う』(講談社)~


「院政」によって憲法改正を狙う安倍首相

実の父親以上に敬愛し、世間の岸信介に対する評価に忸怩たる想いを持つ安倍首相の、現在における最大の目的は依然として「憲法改正」であることには変わりません。

しかし、その憲法改正が未だに達成できていないために、結果として長期政権となっているのが現在の姿。
では、今後については憲法改正の芽が出るのかと言えば、世論が全く盛り上がっておらず、安倍首相自身も改正は不可能であることを、実は薄々感じていると思われます。

それでも、 安倍首相の憲法改正に対する執着は異様と言う他ありません。
今後、自民党総裁としての任期終了後、安倍首相は「院政」を敷くことで憲法改正の手柄を次期首相と分かち合う戦略を描いています。その意味では、安倍首相は死ぬまで改憲にこだわりますし、そのためには、自分の子分や自分に媚びる人間について、安倍首相は必ず守り抜きます。

安倍首相は、首相を禅譲するのは「岸田文雄・元外相」と決めてますので彼のことは守りますし、”身の丈” 発言で世間から ”大ひんしゅく” を買っている萩生田光一・文科相は子分でもあるので、やはり彼のことは守るのです。
よって、萩生田文科相が更迭されることはありません。

ちなみに、この ”萩生田文科相を守る” ということについては、11月1日の毎日新聞『英語民間試験見直し 「萩生田氏守るため」官邸が主導』の中でも如実に物語られています。

「安倍 vs 菅」のバトルが萩生田文科相を延命する

そうすると、ポスト安倍は岸田元外相で決まりかと言えば、そこに立ちはだかる人物がおります。それが菅義偉・官房長官です。

実は、筆者は次の首相は、菅官房長官ではないかと個人的に予想しております。
菅氏は派閥こそ持っていませんが、多くの自民党議員を傘下に従え、最大級の権力者の一人と目されています。

メロンやカニを贈答したことで経済産業相を更迭された菅原一秀氏や、ウグイス嬢への違法買収で法務相を辞任した河井克行氏も菅義偉傘下の人間たちです。そのような子飼いの人間を閣僚に突っ込めるほど、菅官房長官の権力は絶大となっていますが、今回の更迭辞任劇で安倍首相に対し面子を失った格好になっています。

しかし、これら一連のスキャンダルは、間違いなく安倍首相側からリークされたのではないかと筆者は疑っています。安倍首相には補佐官として多くの官邸官僚を抱えている身なので、その程度の調査は朝飯前のはずです。

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つまり、現在取り沙汰されている安倍政権の ”辞任ドミノ” は「安倍 vs 菅」といった時期首相をめぐる権力争いが根底にあるのです。

安倍首相は『院政』を可能にする岸田元外相を首相に据えたい一方、菅官房長官は首相の座を狙っているという構図です。
そのような中で、安倍首相は面子にかけても萩生田文科相を辞めさせるわけにはいかないのです。

今回は萩生田文科相についての ”身の丈” 発言が、あまりにも一人歩きしたお陰で全体の構図がぼやけてしまいましたが、ポスト安倍をめぐる政局が激しいバトルを展開している事の本質と言えそうです。
残念ながら、野党の姿は全く見えません。

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