『れいわ現象の正体』を読み解く ~「ノー」の声を上げ、街頭に出よう!

Introduction:2019年4月に結成されたと思いきや、あれよと言う間に政党要件を満たしてしまった「れいわ新選組」。これほど大躍進を遂げた政党は過去にも例がありません。

2019年は書籍や雑誌で「山本太郎」、そして「れいわ新選組」の名を見かける機会も多かったことでしょう。

そんな中で一冊を挙げるとすれば、迷うことなく『れいわ現象の正体』を選びます。これが現時点でのベスト本であると断言できます。

筆者である牧内昇平氏の熱い想いが、1文字1文字紙面に焼き付けられている。「これを読まずして ”れいわ” を語るなかれ!」的な一冊です。

れいわ現象の正体とは何か?

最初に結論から申し上げましょう。
れいわ現象の正体とは、私たちが抱える「生きづらさ」です。

前書きのくり返しになるが、私が本書で書きたかったのは特定の政党や政治家への後押しではない。政治家に「生きててくれよ!」と叫んでもらう必要があるほど、いまの世の中は生きづらくなっている、ということだ。

牧内昇平『れいわ現象の正体』(ポプラ新書)

この本については、ある程度時間を確保して一気に読み切ってしまうことを強くお勧めします。

というのも、当初は「芸能人が政治家になってなにができる?」といったように山本太郎氏について偏見を持ち、れいわ新選組のネーミングセンスについても ”最悪だ” と感じていた朝日新聞の牧内昇平氏という冷めた一人の記者が、いつしか山本太郎、そして、れいわ新選組を熱く語ってゆくに至る心の変遷。これも本書の見どころの一つと感じるからです。

生きづらい世の中を変えるには?

確かに牧内氏は「私が本書で書きたかったのは特定の政党や政治家への後押しではない」と一応のエキスキューズを入れてますが、と同時に現在の社会状況は改善されなければならないと感じており、「その意味では、れいわ現象は今後も続かねばならない。火山のさらなる爆発を促し、その爆発力で、生きづらい世の中を変えていかなければならない」とまで言い切っています。

では、生きづらい世の中を変えるにはどうすれば良いのか?

安 冨 歩


『[特別収録]安冨歩氏インタービュー』の中で、2019年の参院選でれいわ新選組から立候補した東京大学教授、安冨歩氏が一つの回答を披露しています。

それは、”ひんしゅくを買う” こと。

有給休暇を取るとか、病欠するとか、自治会の草刈りに行かないことなどを指すと、安冨氏は言うのです。

さらに、社会変革を目指す人間の大きな問題は、ひんしゅくを買うのを恐れ、立派だと思われようとすること(それはルールを守ること)。そうなると ”治安維持法” すら守ってしまう、との安冨氏の指摘は実にユニークなのですが、今一つピンとこないかもしれません。
もう少し具体的に言えば――

「最近は職場でよく政治の話をしますが、みんなピンときてくれません。みんな、生活は苦しいんです。それなのに『変えよう』という動きになりません。年金が信用できなくて悔しいはずなのに、『みんなで我慢しようよ』という雰囲気になってしまう。これは、もっと身近な問題でも同じなんです。うちの会社は有給休暇がほとんどもらえません。でも、『どの会社でも同じよ』となってしまう。方向が違うと思うんです。我慢していたら削られるだけ。つぶされてしまってはいけないと思うんですけど・・・」

牧内昇平『れいわ現象の正体』(ポプラ新書)
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「れいわ現象」の正体 (ポプラ新書)[本/雑誌] / 牧内昇平/著
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これは、牧内氏の取材に応じた長岡つぐみさん(仮名)の言葉です。

長岡さんは生活に追われるシングルマザーです。「正社員」として病院の厨房で調理師として働いているとはいえ、15万円に満たない手取りの給与で二人の娘さんを養っています。元夫からの養育費は全くありません。

生活苦で「死にたい」と思ったことは何度もあり、そのような中で山本太郎氏のれいわ新選組を知り、生活費の中から何とか1000円を寄付金としてひねり出しました。

そして、この言葉の中に安冨氏の言う ”ひんしゅくを買う” ことで生きづらい世の中を変える具体例があります。

つまり、政治を『変えよう』と思うこと。
年金が信用できなければ『みんなで我慢しようよ』とは ”思わない” こと。
有給休暇をもらえなければ『どの会社も同じよ』とは ”思わない” ことです。

そのように思い考え、行動すれば周囲から ”ひんしゅくを買う” ことになるでしょう。しかし、私たちはそれを恐れてはなりません。
牧内氏もこのように語りかけています。

れいわ現象のエッセンスは何か。わたしは、”生きづらさを抱える人が現状に「ノー」を突きつけること” だと考えている。だとすれば、わたしが考える「れいわ現象」は政治の世界に限定されないはずだ。職場で、学校で、家族の中で、矛盾を感じた人は声を上げていい。いろいろな社会問題に対して、人びとは「ノー」の声を上げ、街頭にくりだしていい。広い意味での「れいわ現象」が雨後の筍のようにわき上がるとき、世の中はいい方向に変わる。政治も変わるだろう。

牧内昇平『れいわ現象の正体』(ポプラ新書)

山本太郎氏の言葉を届けたい!

今や、牧内氏も山本太郎氏率いる「れいわ新選組」の支持者となっています。公正中立を旨とする新聞記者がそのような姿勢で良いのか? という声も聞こえてくるかもしれませんが、政権に忖度するのが今どきのメディアのトレンドである中にあって、彼の言葉は実に力強く、頼もしくさえ思われます。

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実は、牧内氏の奥さんも強い「生きづらさ」を感じている一人です。

彼の奥さんも同じ新聞記者だったそうですが、現在は心の病に苦しみながら、”自分は生きていていいのだろうかと悩みながら” 日々の生活を送っているそうです。

そんな彼女の心にも、「れいわ新選組」率いる山本太郎氏の言葉は、しっかり届いているようです。

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