山本太郎の興味深い戦略と東京都知事選の行方について ~これが得票結果だ!

国内政治

Introduction:山本太郎氏がオンライン記者会見で興味深い発言をしましたね。

なんでも、副知事に宇都宮健児氏と小野泰輔氏を起用したいとか。

なかなか巧妙で的を得た山本氏の戦略であり、敵を「小池百合子」一本に絞ったことが最大のポイントです。

山本太郎氏は都内を駆け巡り熱い主張を展開していますが、今回の都知事選はどのような結末を迎えるのか?具体的な得票を予想してみました!

山本太郎が副知事に宇都宮健児を指名

6月17日の水曜日。東京都知事選(6月18日告示、7月5日投開票)の立候補者5名による、オンライン会議システム『Zoom』を使用したオンライン記者会見が開催されました。

その席上、『れいわ新選組』の代表かつ公認の山本太郎氏が、とても興味深い発言をしています。

『──都知事に就任した場合、どなたを副知事に任命したいですか?』

そのような質問に対し山本氏は、現場のことがよく分かり、困った方に寄り添う心を持った方であるとして、「候補者の中で言えば、私は宇都宮健児さんにお願いしたい──」と言ったことには驚きました。

そして、続けざまに「そしてもう一人、小野さん。彼は行政マンとして非常に優秀だろうと私は思っている」として、日本維新の会の推薦を受けて出馬した、小野泰輔氏の名前を挙げたのです。

これらの発言は、山本氏による巧妙な戦略だと思われます。
山本氏と宇都宮氏は支持層が重なり合っていると ”一部の有権者から” 思われており、また政策面では似通っているのは事実です。

そういった状況で、対立候補の粗を見つけて批判するのではなく、懐柔し「同じ仲間ですよ」といったシグナルを発信することで「敵対したくない」「敵愾心を持たれたくない」といった山本氏の思惑が読み取れます。

そしてこのことは、現実的にも話題性のある布陣であると言えます。宇都宮氏が受けるかは何とも言えませんが、小野氏に至っては実際に最近まで熊本県副知事の職にあったこともあり、実務的には何の問題もないはずです。

そして、最大のポイントは、敵を「小池百合子」だけに絞っている点です。

山本太郎氏は、できることなら『小池 vs 山本』という闘いの構図に持ち込みたいと思っているのです。そして、本当に小池氏と山本氏が接戦となった際に、少しでも宇都宮陣営や小野陣営が取りこぼした票を獲得したいと思っているのです。

山本太郎はどれほど善戦するのか?

実際問題、『小池 vs 山本』という闘いの構図は実現するのか? 
山本太郎氏は現職の小池都知事を相手に接戦に持ち込むことができるのか?
そして、宇都宮健児氏の行方も気になるところです。

そんなわけで、2020年の東京都知事選について各候補の獲得票数を予測してみました(上の図)

ここで分かることは下馬評通り、小池都知事の有利な状況は全く変わらず、山本氏は宇都宮氏と同じような得票に留まり、善戦に持ち込むことは叶わないという予想結果です。なお、各候補者の予想得票数は下記の通りです。

候補者名得票数得票率
小池百合子2,235,064 票43.4 %
宇都宮健児1,194,781 票23.2 %
山本太郎999,084 票19.4 %
野田泰輔525,292 票10.2 %
立花孝志195,697 票3.8 %

投票率について

前回2016年の都知事選での投票率は約60%(59.73%)でしたが、今回は新型コロナ禍の影響で投票への足が遠のくと共に、小池氏への熱狂的な支持も影を潜めたことから、投票率は50%を下回り「45%」程度になるものと予想しています。

宇都宮健児の得票傾向について

宇都宮氏は2012年の都知事選では「約96万票」、続く2014年は「約98万票」獲得し、安定した集票で大善戦しているのを見て取れますが、むしろこれは支持者が固定化してしまっていることを意味しており、さらに大きな躍進は期待できないのではないでしょうか。

つまり、共産党を中心に、選挙があれば必ず左翼的な政党に投票するような高齢者が支持層の中心であると考えられます。よって、今回の都知事選でもどんなに頑張ったとしても100万票前後以上は期待できないと予想します。

小池百合子の得票傾向について

前回2016年の都知事選において、無党派層(支持政党なし)の半数は小池氏に投票したことが分かっています。今回は前回都知事選で見られた ”小池フィーバー” もなく小池氏の学歴詐称問題も災いしたことから、無党派層の得票は3分の1程度に留まるものと思われます。

山本太郎の得票傾向について

宇都宮健児氏の支持者が固定化しており、それ以上の大躍進も期待できないことから、山本氏は宇都宮氏よりも、むしろ小池氏の票を切り崩す可能性があります。

仮に山本氏が出馬しなければ、小池氏が圧倒的大差で勝利したことでしょう。今回、山本氏が出馬し大いに善戦することで小池氏はかなりの票を失うことになりますが、それでも小池百合子優位の状況が変わることはないでしょう。

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