「一水会」がオスプレイの知られざる危険性を斬る!

Introduction:世間からは ”新右翼” と評され、代表・木村三浩氏を中心としたユニークな活動で知られる「一水会」

その一水会の機関紙『月刊 レコンキスタ』(令和元年10月1日号)に興味深い記事が掲載されました。

記事は元米海兵隊員、ルーク・バーンズ氏へのインタビューで明らかになった、悪名高き「オスプレイ」の私たちが知らない危険性について赤裸々に綴っています。

タイトルは「日米は本当に ”トモダチ” なの?」

アメリカは日本に対して「最も価値観を共有する」と日頃から言っていますが、オスプレイの実態などを見ると、本当に「日米はトモダチなのか?」と疑いたくなります。

今回は『月刊 レコンキスタ』より、記事の要旨を紹介いたします。

ルーク・バーンズ
1974年生。アラバマ州出身。1990~1995年まで米海兵隊、1995~2000年まで米陸軍に勤務。2000年に予備役となった後、テンプル大学ジャパンを卒業。日本では1992~1993年に横須賀、沖縄に勤務。フィリピン、クウェート、サウジアラビア、ソマリアでの勤務経験もある。

輸送機の範疇を越える戦略的・戦闘的輸送機

Photo by : ボーイング社のHP 「V-22 OSPREY」

「オスプレイ」はアメリカのベル社とボーイング社が共同開発し、ティルトローター技術を使用した世界最初の実用機。ヘリコプターと固定翼機の特性双方を兼ね備え、空中停止(ホバリング)をも可能にしました。

エンジンはロールスロイス社製AE1107Cリバティ・ターボシャフト型。基本的にはジェット・エンジンですが、排気エネルギーの約10%を排気噴流の出力とし、残り約90%を軸馬力としてプロペラ回転に使用するターボブロップ型とは異なり、エンジン出力の100%をプロペラ軸の回転に使用するのが上述したターボシャフト型です。

このエンジンを、全体を覆うエンジン・ナセルに収納し左右の翼に装着しています。これらのエンジンは飛行モードによって毎秒約8度の割合で傾けることができ、作動範囲は0度から97.5度となっています。そして、通常運用の0度から90度の範囲であれば約11.3秒で転換動作を完了することができます。

ティルトとは「傾ける」という意味で、ローターは「プロペラ」のことです。これらのプロペラ付きエンジンを水平(0度)にすればあたかもヘリコプターのように垂直離着陸が可能となり、直角(90度)にしてプロペラ機と同様の活動性能を確保します。

ちなみに、オスプレイのような変則的機体は「転換型航空機」と呼ばれますが、その源流は決して最近のことではありません。その構想は1930年代に登場し、以後様々な試作機が作られ飛行実験が繰り返されてきました。

オスプレイはヘリコプターとプロペラ機双方の特徴を合わせ持ち、その機動性と航続距離においては単なる輸送機の範疇を越えていまする。これは戦略的・戦闘的輸送機とも呼べる代物であり、今後間違いなく米軍の主力となってゆくでしょう。よって、日本国内の反対活動とは裏腹に、その配備数は増えることはあっても決して減ることはありません。

確かにオスプレイは ”未亡人製造機” と揶揄されるように、安全性にかなりの疑問符がつく存在ですし、ジェットエンジンによる飛行ですので騒音も半端ではありません。

しかし、今回の一水会によるバーンズ氏へのインタビューで分かったのは、オスプレイの危険性はそれだけに留まらないということです。

オスプレイが横田の空で「水銀」を撒き散らす?

オスプレイの燃料に問題あり

バーンズ氏によれば、オスプレイの燃料として使用される「ハイブリッド・フェール」には、安くてパワーが出るという理由で、なんと「水銀」が含まれているというのです。

水銀は発ガン性を伴う有害物質として知られ、特に燃焼により気化した場合は人間の肺から体内に吸収され、血液中の成分と結合し強い毒性を示すことが分かっています。

よって、水銀が含まれる蛍光灯、体温計、血圧計、ボタン型電池、朱肉などを廃棄するには分別する必要があり、誤って焼却したりするのは極めて危険であるとされています。

そして、燃料に「水銀」が使われているということは、間違いなく気化した水銀が大気中に拡散していることを意味します。

ちなみに、このハイブリッド・フェールはアメリカ本国はもちろん、韓国、グアム、ハワイ、ヨーロッパでは使用が禁じられています。
使用されているのは日本だけで、”例外” としてアフガニスタン、イラク戦争時に使用されました。

そういった事実からも、この燃料がいかに危険であるか、お分かりいただけたでしょう。

ちなみに、この燃料。
オスプレイだけでなく、横田基地や三沢基地のC-130J輸送機、F22・F35戦闘機にも使われているようです。

沖縄で起こった米軍ヘリ墜落事件でも・・・

似たような事例で脳裏をよぎるのは、2004年8月に起きた沖縄国際大学への米軍ヘリ墜落事件です。

大型輸送ヘリコプターが沖縄国際大学1号館北側に接触、炎上し機体が大破した事件です。ヘリの搭乗員が負傷し、大学関係者に負傷者はなく幸い死者も出ませんでしたが、問題は事故処理作業を行った米軍です。

周囲を完全に封鎖し、黄色い「防護服」を着た作業員が確認されていますが、実はヘリの回転翼の安全装置に使われていた放射性物質(ストロンチウム90)が飛散したため、このよう措置を取らざるを得なかったのです。

(参考書籍:前泊博盛『本当は憲法よりも大切な「日米地位協定入門」』<創元社>)


ことほどさように、米軍機の燃料や機体は有害物質にまみれており、そのような機体が日本の航空法では禁じられているような超低空飛行を始めとして、日本の領空を自由に飛び回っているのです。

つまり、米軍機は「日米地位協定」により日本の航空法の「適用除外」になっているため、端的に言えば、日本のどこでも自由に飛行することができてしまうわけです。

バーンズ氏は警告します。
《日本人は、「オスプレイなんか要らない」ってハッキリ言った方がいい。危険で有害な「ハイブリッド・フェール」は「ノーサンキュー」と言うべきだ。瑞穂、武蔵村山、秋川、昭島、福生、羽村、米軍基地の周りでは、子供が障がいをもって生まれてくる確率が上がるはずだよ。

むしろ韓国で必要とされたオスプレイ

ご存知のように、オスプレイは米国国内でもその危険性が指摘され、”未亡人製造機” と揶揄されていますが、米国では住民の居住区から水平方向に2マイル(約3㎞)、垂直方向に1マイル(約1.5㎞)以内は飛行できないよう定められています。

ところが日本の場合、上述したように日米地位協定の取り決めもあり、飛行に関しては全くのフリーです。

実は、オスプレイは韓国での運用を想定されていたようです。
ただ、韓国側でもオスプレイの危険性が指摘され、韓国側から拒否されたので平時は日本に配備し、有事の際に韓国に配備することで韓国を納得させたという経緯があります。

つまり、沖縄を始めとする在日米軍基地は、オスプレイのような問題のある機体のトレーニングの場なのです。兵士も機体も日本でトレーニングして問題がなければ韓国、グアム、ハワイ、ヨーロッパに配備されてゆきます。基地に関する費用は ”おもいやり” と称して多くを日本が負担してくれるので、アメリカにしてみればおいしい話です。

オスプレイの監視すら放棄している日本

ここに紹介するのは10月1日の東京新聞の記事です。
オスプレイについては、やはり周辺住民から多くの不安の声が寄せられています。日本としても離発着状況を把握しておくべきですが、米軍にいくら情報提供を要求しても絶対に応じてはくれません。

よって、仕方なく防衛省職員が、毎日朝から日没まで、「目視」で、オスプレイの離発着状況を確認し、それを地元自治体に伝えていました。
テクノロジーの令和の時代に、実に ”アナログ” な作業を、防衛省は行っていたわけです。

そして、「さすがに負担が大きいので、これからは監視を縮小したい」と防衛省は言っているわけです。
・・・実に情けない状況です。

離着陸に問題を抱えるオスプレイは、さらに燃料に有害物質を含み、発がん物質を空に撒き散らし、日本上空を好き放題飛んでいる。
そんな危険なオスプレイに対し、日本は何一つとして米軍から情報を与えて貰えず、仕方がないので目視で監視し、しかもそれを止めたいと言って地元住民からひんしゅくを買っている。

実にしょぼくて情けない話だと思います。
ここまで日本政府はアメリカに ”やられっ放し” なのです。
これって、なんだかおかしくないですか

日米は本当に ”トモダチ” なのでしょうか?
どう考えても米軍基地の在り方については再考の必要があるというのに、一向にその声が聞こえてこないのは、なぜでしょうか?

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