宇都宮健児さんも指摘する、テレビは完全に ”オワコン” です

国内政治

Introduction:2020年7月5日は、東京都知事選が投開票された日というよりは、むしろ「日本のテレビ局が完全に終わった日」として人々に記憶されるされるかもしれません。

立候補者の一人、宇都宮健児氏はテレビを「社会の公器」と捉え、テレビ討論を要請してきましたが、どうやらテレビのレベルはそこまで達していないようです。

結局この東京都知事選では、テレビの公開討論が放映されることは1度もありませんでした。これはテレビが「社会性」を放棄したことを意味します。

視聴率10%で「1000万人」もの人々が視聴するインパクトを秘めながら、テレビは自ら更なる衰退の道へと邁進するつもりのようです(合掌)

宇都宮健児氏『テレビは「社会の公器」である』

宇都宮健児氏は清水有高氏のYouTubeチャンネルに出演。テレビ局から討論などの出演オファーが1件もなかったことを告白した(動画25:00~)

今回の都知事選に名乗りを上げた元日弁連の会長である宇都宮健児氏は、7月3日、清水有高(しみず ゆうこう)氏の YouTubeチャンネルに出演しインタビューに答えています。その際、宇都宮氏はテレビの在り方について重要な問題提起をしています。

それは、今回の都知事選に際して、テレビ局から討論番組などへの出演オファーが1件もなかったというのです。前回、2014年に出馬した際は4,5回のオファーがあったにも関わらず、今回は1件もなかった。宇都宮氏はこれを「異常なことだ!」として憤りました。

これは、清水氏も指摘しているのですが、コロナ禍であればなおのこと、テレビで候補者の主張や討論の様子を放送する必要があります。でなければ、外出する機会が減っている都民に対し、誰に投票すべきかの判断の機会を奪うことにも繋がるからです。

宇都宮氏も、宇都宮氏の選対もテレビ局に対し、テレビ討論の要請をするといった奇妙な逆転現象すら起きたのですが、テレビ局からは全く反応がなかったようです。

かねてより、宇都宮氏はテレビを「社会の公器」と捉えており、テレビで候補者の主張を放送したり討論会を企画したりするのは「義務」であるとすら考えていると言います。なぜなら、テレビは視聴率1%で「100万人」、視聴率10%で「1000万人」が視聴するほどのインパクトを持つからです。ちなみに、東京都の有権者数は「1144万人」です。

この宇都宮氏のテレビに対する意識は至極全うであると考えられます。しかし、どうやらテレビ業界の意識はそこまで到達していないことが、今回の都知事選でバレてしまいました。

山本太郎氏『小池さんはテレビ討論に出たくない』

テレビ局のダメさ加減については、同じく都知事選に立候補した山本太郎氏も指摘するところです。

山本氏は「テレビ局が公開討論会を行わなかったのは、小池都知事が出演したくなかったから──」と前置きした上で、「テレビ局はオリンピック開催に強く反対する山本太郎について、新型コロナの感染が収束しないにも関わらず、未だにオリンピックの開催を考えている企業スポンサーに忖度し、山本太郎を出演させたくなかったのだろう」と語っています。

山本氏が指摘するように、選挙に際しての討論会の在り方にも大いに問題があると感じます。
というのも、今回の都知事選のようなスケール感のある選挙では、必ず「主要候補」と「泡沫候補」とに分かれてしまうのが常ですが、討論会においては主要候補の一人でも欠けた場合、討論会は行わないといった内部規定があるのです。

権力と金に忖度するテレビは小池都知事から手玉に取られている

小池都知事はテレビ討論から逃げ回っていたようですが、これなどテレビ局の特性を逆手にとった不誠実な戦略と言えるでしょう。

テレビ局を初めとするメディアについて、例えば、東京都庁の記者クラブでは小池都知事に嫌われれば質問で指名して貰えない、下手をすると ”排除” されかねないといった状況が、以前から問題視されています(これは首相官邸の記者クラブも同様です)

そんなメディアは間違いなく小池都知事を忖度しており、テレビ局も知事に忖度するあまり討論番組から逃げ回っている知事を批判することなく、現状に甘んじているわけです。

結局のところテレビ局も社会的責任というよりはスポンサー、お金が大事なわけなのです。このように社会的責務を放棄したテレビに、一体それほどの存在価値があるのでしょうか? 番組コンテンツの質の低下が指摘されている今、テレビは自ら泥沼にハマっているように思えてなりません。

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