「安倍晋三 残酷物語」 ~売国・冷血・無慈悲な素顔

国内政治

Introduction:野上忠興(のがみ ただおき)氏の『ドキュメント 安倍晋三 ――隠れた素顔を追う』によれば、安倍首相は父親の安倍晋太郎氏から生前「お前は人に対する思い入れ、情がない。政治家になりたいなら情の大切さを知り、身に着けることが必要だ」と言われていたようです。

そんな父の死に接し、安倍首相は<人を動かすのは情念だ>と悟ったようですが、実際のところはどうだったのでしょうか?

結論から言えば「NO!」です。
安倍首相は首相である以前に、ここ最近は政治家として極めて問題の行為をくりかえしています。

これはもう『安倍晋三 残酷物語』と言う他ない。

今回は「売国」「冷血」「無慈悲」をキーワードに、安倍首相の素顔を検証します。

【売国】国会を無視し日米貿易協定に署名していいのか?

安倍首相は「日米貿易協定」の署名を、10月8日に行うことを早々に決定してしまった。国会の承認を得ていない状況で、これは許されるのだろうか。しかも、署名するのは安倍首相でもなく、茂木外相でもなく、杉山晋輔・駐米大使(写真)だ。
(Photo by : iZa『 杉山晋輔駐米大使、インタビュー詳報「中国に言うべきことは言う」』)

毎日新聞、10月5日付の記事には心底仰天しました。
重要にして余りある「日米貿易協定8日にも署名」と題された記事ですが、なぜかさりげなく書かれておりました。

 日米両政府は新たな日米貿易協定署名式を、日本時間の8日にも米ワシントンで開く方針を固めた。杉山晋輔駐米大使とライトハイザー米通商代表部(USTR)代表が署名する予定。来年の大統領選に向けて成果をアピールしたいトランプ大統領の同席も調整している。
 日米両政府は当初、先月25日に米ニューヨークで開いた首脳会談で署名できないか調整していたが、協定文書の法的審査が間に合わず、共同声明への署名にとどまっていた。
日本政府は8日中にも閣議決定する方針。日本では今月中旬にも協定の承認案を臨時国会へ提出し、両国は来年1月の協定発効を目指す。
~2019.10.05 毎日新聞 朝刊~

9月に日米両国で合意された「日米貿易協定」については、実に惨憺たる有様であったことをこのニュースサイトでも取り上げています。

◆ 関連記事 ◆
『「日米貿易協定」WIN-WIN どころか安倍首相の ”コールド負け”』

その日米貿易協定の署名を、安倍首相が行うわけでもなく、これまで交渉に関わってきた茂木外相が行うわけでもなく、こともあろうに杉山晋輔・駐米大使が行うとは一体どういうことでしょうか?

「臨時国会」が10月4日に召集されたばかりです。
そして、この臨時国会での最優先事項とは「日米貿易協定の承認」であることは政治家ならずとも誰もが認識しています。

ところが、安倍首相が辿っているのは、「日米の署名」⇒「閣議決定」⇒「国会での承認」といったように、全くの逆コースなのです!

この問題がお分かりでしょうか?
安倍首相は民主的手続きを経ず、「国会」と「国民」を無視して、あの「日米貿易協定」に署名しようとしているのです。
いつから日本は独裁国家になったのでしょうか?

これでは何のために国会が召集されているのか分かりませんし、そもそも、このようなことは許されるのでしょうか?
これを ”売国” と言わずして何と形容したら良いのでしょうか?

もしかしたら、安倍首相自身も、今回の日米貿易協定が歴史的不平等条約に匹敵することを十分認識しており、責任をなすりつけるために杉山駐米大使に署名させているのでしょうか?

ちなみに、杉山晋輔・駐米大使とは、私大出身(早稲田大学)で初めて外務省事務次官に昇りつめたことで注目を浴びましたが、彼の場合はむしろ ”肛門にロウソクを突き刺し、火をつけてはいずり回る” といった特異な宴会芸を週刊誌にすっぱ抜かれたことの方が、世間に与えるインパクトは大きかったようです。

作家の佐藤優氏は、杉山氏を評して「サンカク人間」と言っています。
つまり、「義理を欠き」「人情を欠き」「平気で恥をかく」という意味です。

【冷血】死んでしまえば弔問使節すら送らないのか?

シラク元大統領ほど日本を愛してくれた海外の指導者はいない。そんなシラク氏に対し「弔問使節」を派遣せず、礼節を尽くさないのはなぜか。仏大使館でシラク氏の”写真”を前に記帳する安倍首相の姿が寒々しく映る。
Photo by : 首相官邸『 シラク元仏国大統領の逝去を受けた弔問 』

海外で何か ”気の利いた” ことを言ったり、金を配ったりするのが「外交」だとしたら、それはとんでもない間違いです。

安倍首相は非常に ”冷血” だと思わせたのが、9月30日にパリで行われたフランス・シラク元大統領の国葬です。

この時はアメリカのクリントン元大統領や、ロシアのプーチン大統領なども参列しましたが、では、日本はどうだったのかと言えば、ここでも木寺昌人・駐仏大使の参列でお茶を濁しているわけです。

安倍首相本人に行けとは申しません。
なぜ、きちんと「弔問使節」を派遣しなかったのでしょうか?
なぜ、シラク元大統領のように、日本を愛してくれた海外要人に対し、礼節を尽くさないのでしょうか?

シラク元大統領は相撲好きの親日家として知られていますが、実際来日したのは50回以上に及び、箱根にはひいきにしている老舗旅館もあったようです。
その辺の逸話を10月4日の毎日新聞のコラム「金言 kin-gon」の中で、西川恵・客員編集委員が、要旨次のように伝えてくれています。

 これほど日本文化を愛し、その素晴らしさを公言した海外の政治指導者を他に知らない。今日の良好な日仏関係の基礎を作る上でも大きな役割を果たした。シラク氏と日本の深い関係を考えれば弔問使節を送ってほしかった。

 日本はシラク氏の大統領選に一役買っている。
大統領選1年前の94年初夏、同氏は単身来日し、箱根のひいきの老舗旅館に滞在した。
 相次ぐ腹心の裏切り、自身の支持率も低下するなか、自分を見つめ直す旅だった。フランスのジャーナリストはこの時の様子を本に書いている。
「メディア政治の裏切りと腐臭から遠く離れ、シラク氏はいつものお気に入りの畳の上にじかに寝、障子や日本風呂を愛し、懐石料理に舌鼓を打った。近くにある青空の下の彫刻美術館も散策した」

ベルナデット夫人は語る。
「日本で夫は一人考え、書きものをして過ごしました。周囲の目を意識することもなく、孤独の重さを受け止めたはずです。あそこから夫は立ち上がりました」

弔問外交のような一見地味な外交こそが、実は極めて大切だったりします。結局のところ、外交も人間のやることだからです。
”外交の安倍” を自慢する安倍首相はなぜ、こういった事をきちんとしないのでしょうか? 非常にストレスを感じます。

考えてみれば、シラク元大統領の任期は「1995年5月17日-2007年5月16日」。
一方、安倍第1次政権は「2006年9月26日-2007年9月26日」といったように、国家のトップとして共有した時期は8カ月程度でしかありません。

また、安倍第1次政権時の後半は閣僚の不祥事が相次ぎ、当時の安倍首相も防戦一方になっていたことから、シラク&安倍両者の間には深い交流はなかったものと考えられます。

結局のところ、シラク元大統領のような日本にとって大切な人物であっても、自分と関係が薄ければ ”冷血” に対応してしまうのが安倍首相の本性なのでしょう。

【無慈悲】千葉県民に言葉の一つもかけてやらないのか?

台風15号に際し、安倍首相はSNSで千葉県に対して何らコメントを発信していない。台風15号の後にTwitterに投稿されたのは、なんと「ラグビーワールドカップ」の動画であった。

台風15号の被害、特に千葉県は甚大な被害を受けましたが、このことに対し安倍首相は結局、SNSで何一つ発信しませんでした。
これには驚いたというよりも呆れ果てました。

◆ 関連記事 ◆
『「Twitter黙秘権」を行使する安倍首相 ~千葉県災害に対し謎の沈黙』

2018年に起きた「平成30年7月豪雨」の際には、地元山口県が被害に遭うや否や、安倍首相はTwitterに写真入りで30以上もツイートを投稿し、自身もヘリコプターに乗り込み現地を視察して回りました。

ちなみに、10月4日に召集された臨時国会の所信表明演説で、安倍首相は台風15号の被害について、次のように触れています。

「 台風十五号による大規模停電では、多くの方々の生活に甚大な影響が出ました。今回の対応を徹底的に検証します。災害時における復旧の加速化、電力インフラ維持の方策について検討し、速やかに対策を講じます。」

台風15号の被害については、実はたったこれだけなのです。
なぜここまで、千葉県を無視し ”無慈悲” な態度をとるのか理由がさっぱり分かりません。

こうしてみると、安倍首相はとても日本人の精神を体現しているとは思われず、こういった人間が日本のトップに君臨し国家の舵取りをしていることに言葉に尽くせぬ憤りを感じます。

一体この人物は、「どこの国」の「何者」なのでしょうか?

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