文春砲に吹き飛ばされた賭け麻雀の黒川検事長。誰が笑い、誰が泣くのか?

Introduction:一体このような展開を誰が予想したでしょうか?

違法と囁かれていた黒川検事長の定年延長が、 Twitter のハッシュタグ ”#検察庁法改正案に抗議します” によって葬られた矢先、今度は文春砲が ”賭け麻雀” をすっぱ抜き、黒川検事長もろとも吹き飛ばしてしまうとは!

今、国民ひとり一人はかつてないほど「政治化」し、厳しい視線を政治、検察といった権力に向けていると感じます。

今回の闘争劇では、最後には一体誰が笑い、そして誰が泣くのでしょうか?

黒川「賭け麻雀事件」の経緯

『週刊文春』の発売は毎週木曜ですが、この事件については20日水曜日の時点でインターネットを中心に大きな反響を呼び、NHKも夜の『ニュース7』で取り上げざるを得なくなった事で ”万事休す” となりました(写真上)

この事件とは、東京高等検察・黒川弘務 検事長と、大手新聞社記者らとの間で行われた「賭け麻雀」──メンツとして取り沙汰されているのは、次の4人となります。

  • 黒川弘務(東京高検 検事長)
  • A記者(産経新聞 社会部)
  • B記者(産経新聞 社会部)
  • C記者(朝日新聞 元検察担当記者 現在は経営企画室)

黒川氏を含む4人は、5月1日の金曜夜7時半頃、東京中央区墨田川のほとりにあるA記者のマンションに集合、深夜2時頃まで賭け麻雀に興じていたわけです。その後、黒川氏は記者らが手配したハイヤーに乗り込み、目黒区にある自宅へと帰宅しました。

その他にも、彼らは5月13日の水曜にもやはりA記者のマンションに集合し、深夜1時ごろまで賭け麻雀をやっていたことが分かっています。水曜日や金曜日に ”打つ” のが多いとのこと──。

ちなみに、5月1日と言えば、小池東京都知事が 4/25~5/6 を ”ステイホーム週間” と名付け、都民に対し自宅に留まるよう訴えていた最中であり、また緊急事態宣言も延長され濃密接触の回避を強く要請されたド真ん中の時期でもありました。

そのような社会情勢の中で、検事長といった認証官が ”三密” の典型である麻雀に興じていたのは非難されてしかるべきでありますし、ましてや5月13日に至っては参院内閣委員会で検察庁法改正案が審議されていた、まさにその日であったわけです。

しかも、賭け麻雀は刑法第185条で「50万以下の罰金又は科料に処せられる」と規定されている立派な犯罪(賭博罪)です。また、記者(あるいは記者の所属する新聞社)らが手配したハイヤーに乗り込んでいたということは、便宜供与があった可能性が否定できず、国家公務員の倫理規定に触れるだけでなく、贈収賄の罪が科せられる場合もあり、その場合は服務規定に違反したことで懲戒免職になるケースすらあります。

黒川検事長は、事件が発覚した20日の時点で賭け麻雀をやったことを認めており、既に辞任の意向を表明。一方、森雅子法務省も21日の夕方ごろまでには黒川検事長の処分を発表するとしています(結局、訓告処分<口頭での厳重注意>となった)

次の検事総長人事で全てが明らかになる

『週刊文春 5月28日号』

そもそも、今回の賭け麻雀の情報については、”産経新聞の関係者” から『週刊文春』へとリークされたものですが、産経の関係者とは具体的に誰かは明らかになっていません。

作家の適菜収氏は『安倍とつながる産経新聞政治部の暴走を牽制する動きが社内にあったということ。今回の件は、純粋に産経新聞内の良識派と週刊文春のお手柄です。』とTwitter で語っていますが、真相の程は分かっていません。

また、最高検察庁の今後の検事総長人事については、検察庁法改正案が今国会で見送りとなり、それに派生するかのように定年が延長された黒川氏の身の上もこのような形となった以上、当初の稲田検事総長の想定通り、今年7月に慣例に従った稲田氏の退官後、林真琴氏が新検事総長として就任するのが順当、かつ最も軋轢のない方針と思われます。

しかし、ここに大きなポイントが潜んでいると筆者は考えます。

黒川氏については首相官邸と極めて近く、これまで政権が関わる様々なスキャンダルを揉み消してきたとも目されています。よって、安倍政権は次の検事総長は是が非でも黒川氏にしたいと切望している。世間ではそのように思われていました。

それはそれで間違いはないのですが、むしろ力点があるのは黒川氏ではなく、林真琴氏ではないかと筆者は睨んでいます。つまり、『黒川氏を検事総長にしたい』のではなく、『林氏だけは絶対に検事総統にはしたくない!』のではないかということ。

ニュアンスの違いだけのように思われますが、安倍政権としては、次の検事総長が林氏以外であれば、実は誰でも良かったのかもしれません(もちろん、黒川氏であればベストなのでしょうが)

よって、次の検事総長の人事は俄然注目となります。安倍政権はこれまで、3回も林氏の法務事務次官の就任を拒んできた経緯があります。ということは、林氏を出世させたくない理由があるはずなのです。

黒川「賭け麻雀事件」で誰が笑い、誰が泣くのか?

朝日新聞はかねてより検察とズブズブだと言われています。
今回の検事総長人事でも、朝日は徹底的に林真琴氏を推していたことは広く知られており、また、検察庁法改正案を最初に報道することで世論をあらぬ方向に導いたと指摘する右派の論客もいます。

カルロス・ゴーン氏が逮捕された際、彼が羽田空港に帰ってくる時間を知っていたのは朝日新聞のみで、それは検察からのリークだと噂されていますし、森友事件では財務省の公文書改ざんといった超ド級のスクープを報道したのも、また朝日新聞です。

しかし、この朝日新聞とて元記者が賭け麻雀に関わっていたことで傷を受けましたし、産経新聞に至っては記者らが関わっていただけでなく、同時に文春へのリーク元にもなっているだけに、今後の報道姿勢について監視の眼に晒されるでしょう。

そして、検察組織もあろうことか、検事長が自粛ムードの中で賭け麻雀にうつつを抜かしていたことがバレてしまい、大失態を晒したことになりました。

強いて言えば、今回の事件で笑っていられるのは『週刊文春』ぐらいでしょう。
そして、今回最も痛い目にあって泣いているのは安倍首相かもしれません。それは、前述したように次の検事総長が誰になるかで判明します。

もし、次の検事総長が林真琴氏以外の人物になってしまえば、何も起きません。
逆に、次の検事総長が林真琴氏になれば、安倍首相の周辺に変化が起きるかもしれません。

今回の黒川弘務氏による「賭け麻雀事件」は、今後の安倍首相の命運を占う大きな試金石となるかもしれません。つまり、林真琴氏が次の検事総長に就任すれば事態は大きく変わる、安倍首相の周辺に捜査の手が及ぶかもしれないと筆者は予想しています。それは、これまでの森友・加計疑惑、桜疑惑といった一連のスキャンダルダルが白日の下に晒される瞬間となるでしょう。

よって、今後最も大切になるハッシュタグは ──

『#林真琴氏を検事総長に』

──ということになります。

最後に、賭け麻雀を認めた黒川氏ですが、彼は起訴されることはまずないと考えられますし、共に麻雀をした記者らも同様だと考えられます(会社からの懲罰人事は受けるかもしれませんが)

黒川氏は賭け麻雀で起訴される子もなく、懲戒免職にもならず、通常の定年退職の手続きに沿って検察庁を退官することになるはずです。安倍政権としても、これまで黙って意向に従ってくれたわけですから、その程度の便宜は図ります。
権力に付き従うとは、そのようなことを意味します。

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