安倍首相 支持率27%の衝撃!

国内政治

Introduction:安倍首相の支持率が「27%」にまで急落したことは、やはり衝撃的と言えるでしょう。それは取りも直さず、黒川弘務・元検事長に対し「懲戒免職にすべきだ」とする回答が「52%」にも及んでいることにも関わっています。

つまり、検察庁法改正案をめぐる定年延長問題について、世論は完全に安倍首相に責任があり、そんな中で賭け麻雀をやっていた黒川氏を絶対に許していないということです。

それでも、残念ではありますが黒川氏は決して懲戒免職にはならないでしょう。黒川氏の件は終了です。なぜならば、安倍首相は検察と「取引き」をしたからです。

実にしたたかな安倍首相ですが、今後の彼の戦略について、ひとくさり語ります。

世論は安倍首相の責任が最も重いと見ている

やはり、この結果は衝撃的と言えるでしょう。
毎日新聞による世論調査の結果は、23日に一足早くWeb版に掲載され、そして24日の紙面一面トップに掲載されました。

そこには、安倍政権の支持率が「27%」にまで落ち込んだことが報道されています。そして、この数値は森友・加計疑惑において26%まで支持率が下落して以来のこと。さらに特筆すべきは、不支持が「64%」までに一気に跳ね上がったことです(前回は不支持が45%)

前回の調査が5月6日だったことから、わずか3週間も経たずして不支持が19ポイントも落ち込んだことは、いよいよ安倍政権も末期症状を呈していると言えましょう。これが「安倍一強」崩壊のきっかけになるかもしれません。

さらにこの世論調査で興味深いのは、先の検察官の定年延長問題で問題視された黒川弘務・元検事長に対し、「懲戒免職にすべきだ」との回答が「52%」にも達したということです。安倍首相が想定する以上に、世間は黒川氏に対し厳しい眼を向けているようです。

今回の検察庁法改正案については、結局のところ今国会での成立は先送りとなり、賭け麻雀が発覚した黒川氏は辞任。それに伴い ”進退伺い” を提出した森雅子・法務大臣は安倍首相から強く慰留されました。

これら定年延長をめぐる一連の疑惑については、70%以上の世論が安倍首相の責任を重く見ている結果が出ています。しかし、安倍首相は「責任は自分にあり、これを真摯に ”受け止める”」と繰り返すのみで、責任を「とる」ということをしていません。

「責任」とは本来、自分自身に内包するものと考えますが、安倍首相にとっての責任とは、どこか遠くから自分に向かって飛んでくる ”何か” でしかないように思われます。

それでも黒川氏は懲戒免職にならない

検察庁法改正をめぐる定年延長問題という一連の騒動の中で、最も卑怯なのは黒川氏の「訓告」という軽い処分は検察庁のトップである稲田検事象徴が決めたことであるから自分には責任がない、といった安倍首相の態度です。それが「稲田伸夫検事総長が事案の内容、諸般の事情を考慮し処分を行った」という、あたかも検察庁の判断だという言葉に凝縮されています。

しかし、この騒動では安倍首相に最も責任があるのは明らかですし、稲田検事総長の黒川氏に対する監督責任は無きにしも非ずですが、基本的に検事総長に責任はありません。

──そういった中で、安倍首相は検察側に「取引き」を持ちかけた可能性があります。

検察側のメリット

つまり、検察側にしてみれば、これでかねてからの懸案であった林真琴氏を検事総長に就任させることができ、なおかつ黒川検事長を「訓告」といった軽い処分で幕引きにすることもできる。

いくら賭け麻雀が犯罪と言えども、検察としては身内の、しかも検察ナンバー2を懲戒免職にし、5000万円以上の退職金を奪うつもりなど全くありません。しかも、懲戒の場合は退職金没収以外に弁護士資格も剥奪されますので、そうなった場合に ”天下り” や第2の就職に多大な影響が出てしまいます。検察も官僚である以上、そのような前例はつくりたくないです。

検察側としては、安倍首相の持ち掛けた「取引き」によって、当初の想定通りにリセットされたわけで、ここに身内の黒川氏を弾劾する必然性は全くないと考えているはずです。

安倍首相のメリット

黒川氏の処遇について、今後も安倍首相は「あれは、検察が判断したこと」と言って逃げるでしょうし、さらに、この取引による安倍首相のメリットはやはり、河井夫妻の公職選挙法違反の捜査が今後どのように進展するかに関わってくるものと考えられます。

つまり、検察が取引きに乗ったということであれば、河井夫妻の一連の疑惑については秘書らが起訴されて終わるということ。よって、今後の河井夫妻の捜査の行方については要注意です。

森法務相の続投には意味がある

しかし、安倍首相の思惑が外れた場合、河井夫妻は有罪で起訴され議員資格も失うかもしれません。さすがに、現役首相である安倍首相に直接捜査の手が及ぶことは考えられませんが、しかし、首相辞任後はどうなるかは全く分からなくなります。

河井夫妻が倒れ、自分の身辺も怪しくなった場合に備え、安倍首相はあえて森法務相を慰留したのかもしれません。法務大臣は「指揮権」を検事総統に対して発動することにより、検察の捜査を止めることができます。

法務大臣の指揮権はこれまで1度しか発令されたことのない、言わば ”禁じ手” なのですが、それが1954年4月の『造船疑獄』における犬養健法務大臣によるもので、安倍首相の大叔父である当時の佐藤栄作・自由党幹事長の収賄容疑の捜査を無期限に ”延長” させるものだったとは、何とも奇妙な因縁を感じるに十分です。

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