Introduction:2月2日に投開票された京都市長選挙は、「れいわ新選組」が新人の福山和人氏を推薦し、代表の山本太郎氏が応援に駆けつけたことで全国から注目が集まりました。

結果は、現職の門川大作氏が新人の福山和人氏、村山しょうえい氏を破り4選を果たしたのですが、この選挙はこれで終わったわけではありません。

それは、「れいわ新選組」の選挙は今後どうあるべきかという命題に深く関わってきます。

山本太郎氏は、将来首相になることを公言してはばかりませんが、そんな山本氏率いる「れいわ新選組」が政権を奪取することについても、今回の京都市長選挙は重要な気づきを与えるものになるでしょう。

座間宮ガレイ氏が警鐘をならしてくれた

この記事は、座間宮ガレイ氏が2月3日、Twitter から発信したライブ配信動画「──左派や市民派に警鐘を鳴らさせてください」を基に構成しています。座間宮氏は選挙アナリストで『日本選挙新聞』の代表を務められています。

今回なぜ、座間宮氏の動画なのかと言えば、山本太郎氏率いる「れいわ新選組」が、政権を取るための極めて重要な提言をされているからに他なりません。

──つまり、左派、リベラル、市民団体、そして野党でも構わないのですが、そんな彼らが ”すっかり忘れている”、あるいは ”最初から眼中にすらなかった” 重要な事を座間宮氏が気づかせてくれ、筆者も同じ想いを共有していたこともあり、この機会に文書化、言語化することにしたわけです。

共産推薦の票はほとんど伸びていない

先ずは、座間宮氏作成の下表をご覧ください。

「2008年の選挙結果」「2020年の選挙結果」を見比べて欲しいのですが、この12年間に京都市で起こったことが一目で理解することができます。
端的に言えば、次の通りです。

▶共産推薦は「約4,000票」しか票を伸ばしていない。
▶村山しょうえい氏は「約10,000票」もの票を伸ばしている。
▶支持率が伸びた分は、ほとんど全て非共産(つまり門田氏)が得票している。

今回はインターネット、特にSNSを中心に、共産党から推薦を受けた福山和人氏の奮闘ぶりを目にする機会がとても多かったように感じられます。そんな関係者にとって、12年間で +4,000票といった結果は実に厳しい現実です。

むしろ、村山しょうえい氏の方が +10,000票だったことから、彼の方こそ大健闘と言える、つまり、選挙に「変化」を生じさせることにある程度成功しているのです。

これらの厳しい現実は何を物語っているのでしょうか?
それは「共産党とれいわ新選組は、保守層に全く浸透していない」ということです。

保守層に浸透しなければ政権は取れない

政権を取るには、選挙について大きな「変化」をつくらなければなりません。しかし、左派やリベラルにとっては衝撃的かもしれませんが、彼らの今のやり方は絶対に政権など取れない方法について、”一生懸命” に頑張っているようにしか見えないのです。

では、政権を取るにはどうしたら良いのでしょうか?
そのような命題に向き合う過程においては必ず「保守層とは何か?」「保守層に浸透するにはどうしたら良いのか?」といった疑問が湧いて出てくるはずです。

──つまり、保守層を含め、人間を相手にするんだということを、きちんと考えなければならないのです。

有権者は「人間」「生活者」なんだ

自民党支持、共産党支持、れいわ新選組でもいいのですが、〇〇党支持以前に、有権者は「人間」であり「生活者」なんだということについて、私たちはもっと意識的であるべきです。

人間の研究をするのが選挙です。
いくら政党の研究をしても、その選挙には勝てません。

保守地盤で生活している人は何を考え、何を食べて、何に悩んで、何に金を使って、どんな選択の自由があり、逆にどんな選択の不自由があって、何に抑圧されているのか?
そんな保守層についてひたすら考え、分析することが選挙や政治に生きてくるのではないか?

こんなことは立憲民主党はやっていないし、もちろん「れいわ新選組」もやっていないのです。この両党は今のやり方を続ければいづれ限界を迎えるかもしれません。

全国行脚のその先に存在する人々

「れいわ新選組」は全国行脚を展開し、各地の主要都市で「おしゃべり会」を行っています。その模様はYouTubeで公開され、どの動画も多くの再生回数を誇り、れいわ新選組はインターネットを最も有効に活用している政党となりました。

このようなネット選挙を否定するつもりはありませんし、今後もさらに続けてゆくことが必要だと感じます。
ただし、これらのネットを活用した活動は、”保守層への浸透” ということであれば、あまり意味を持たないかもしれません。

全国行脚で主義主張を聴いてもらい、聴衆と対話することが大切であることは言うまでもありませんが、農村地帯を一軒一軒訪ね歩くわけでもなく、街なかで演説会を繰り返す限り、立憲民主党の票を取ること以上の成果は期待できません。

山本太郎氏をかつての田中角栄や小沢一郎に重ね合わせる向きもあるようですが、山本氏のスタイルは田中や小沢のそれとは、全くのところ似て非なるものです。

ポスターを貼っても保守層に浸透できない

全国のれいわ新選組のボランティアは、この今現在においても、各地でのポスター張りに邁進しています。もちろん、ポスター無駄ではありませんし、今後も続けてゆくべき活動です。ボランティアの皆さまには心から敬意を表します。

ただ、ポスターと言えば共産党が強いわけで、共産党のポスターは日本全国どこでも目にします。共産党は組織力があるので当然なのですが、このことから分かるのは、れいわ新選組が今後もポスター戦略を続けたとしても、共産党以上の支持は増えないということです。

そして、共産党は保守層に浸透しているでしょうか? という話です。
結論を申せば、ポスターを貼っても保守層には浸透できないので、ポスターに対する幻想は一旦捨て去った方が良いのです(やめろ!と言いたいわけではありません)

村山しょうえい氏は何をしたのだろう?

ここであらためて村山しょうえい氏に焦点を当ててみましょう。

先の京都市長選では、2008年の時と比べると共産党が +4,000票しか増やしていないのに対し、村山氏は +10,000票も上乗せしたことが分かりました。

”個人商店” であるにも関わらず、むしろ村山氏の方が共産党よりも「変化」をつくりだしている。少なくとも「変化」は政党を大きく主張することでは生まれないし、政策を主張して生まれてくるものでもありません。

村山氏の「変化をつくる力」とは一体何か? 「れいわ新選組」は一度このことに真剣に向き合う必要があるのではないでしょうか。

保守層に浸透するには群れるのをやめよう

左派や市民団体にありがちな光景ですが、彼らは ”群れて” 活動します。大勢でプラカードをポスターを掲げたり、大勢で一人を取り囲んで支持を訴えたり、といったあの光景です。

”いつもみんなでゾロゾロやって来る” ⇒ 「恐い!左翼みたい!」     
”いつもプラカード持ってやって来る” ⇒ 「恐い!左翼みたい!」

群れるということは、上に示したような単純な図式を保守層に与えるだけです。これでは保守層に浸透するどころか、保守層の支持を一票一票確実に失ってゆくだけです。

大切なのは「一人で立つ」ことなのです。
一人で立たないと「変化」はつくれないのです。

その意味では、市民団体の支持を受けている候補者は、市民団体の受け皿以上に大きくはなれません。そして、このことは「れいわ新選組」にも当てはまるかもしれません。れいわの街頭演説は多くの聴衆で溢れますが、この聴衆の受け皿以上に大きくはならない──山本太郎氏は次の総選挙で100人以上の擁立を構想していますが、このままだと大惨敗する可能性があるということです。

保守層に浸透させるための唯一の武器は「候補者」です。
その候補者が人間として、その人柄が信用できる、人柄という最強の武器を生かすには「一人で立つ」ことが重要なのです。

そんな候補者が一軒一軒家を訪ね歩く、一人ひとりと話をする。これが最も人の心に届くやり方、本来の「どぶ板選挙」の本質かもしれません。「どぶ板選挙」とは、何も僻地や田舎に行って喋ることでありません。それは「人間一人ひとりと真剣に向き合う!」ということです。
前述した田中角栄や小沢一郎がやったのは、まさにこれです。

保守層に、人の心に届くということ

ボランティアの質の高さが大事

有権者一人ひとりの心に突き刺さるためには「一人で立つこと」が大事です。
そして、それはボランティアの質の高さにも関わってきます。

つまり、ボランティアの質の高さが選挙結果に影響するということです。

先ほども指摘したように、大人数で群れてボランティア活動をやっていませんか?ということです。なぜ、人は群れたがるのかと言えば、一つには「不安」があるでしょうし、「大人数の方がインパクトがあって効果的だ」との考えもあるでしょう。

しかし、そのような根拠は何もありません。

結局、ボランティアでも、一人でメガフォンを持って声をからして辻立ちするしかないのです。不安ですか? でも、人々の心に突き刺さるためには一人で立つしかない。そして、そんなボランティアを見咎める人などいないのです。だから安心してください。

選挙活動は自分たちの心だけを優先してはならないのです。
自分たちだけが人間なのではありません。有権者一人ひとりもまた人間であることを理解しなくてはなりません。それには一人で立って、保守層に訴えるしかない。

つまり、選挙活動や政治活動は「有権者の心をファーストにすること」なのです。

地方選挙で候補者を立てよ!

インターネットのSNSでどんなに盛り上がろうと、保守層の票など取れません。自民党を批判したり、立憲民主党をdisったりしたところで保守層の票はとれません。SNSで1000リツーイトされても決して保守層には浸透しないのです。

「れいわ新選組」は今後、地方に入ってゆくことを真剣に考えるべきなのです。繁華街の街頭演説に甘んじることなく、地方の奥へと進むべきです。

つまり、地方の選挙で候補者を立てるべきなのです。

「れいわ新選組」公認の候補者を地方で当選させ、その地域を理解するようにしなければ絶対に政権など取れません。なぜなら、政権を取るということは、地方で勝つことなのですから。

現在の「れいわ新選組」のままでは、支持者が一向に成長しないと考えます。山本太郎氏のことだけを見て、山本太郎氏の言ったことをそのままコピペするだけの存在になるだけです。つまり、トップダウン型の中央集権的な政党になるだけです。

それでも政権をとる、すなわち首相になりたいというのであれば、”神輿(みこし)に担がれた軽い存在” になる以外に方法がないのです。
──「れいわ新選組」の支持者はそれで満足なのでしょうか?

繰り返します。
「れいわ新選組」率いる山本太郎氏は政権を取りたいと主張しています。
そして、それは可能です。
しかし、そのためには地方の保守層に浸透し、地方議会で当選者を出し、地方をしっかりと固めなけれなりません。

これは、れいわ新選組でも立憲民主党でも、そして自民党でも同じことです。
これが大原則であり、この記事の結論となります。

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