【2020年米大統領選】民主党候補はブティジェッジ氏で決まりだ!

政治

Introduction:アメリカ大統領による一般教書演説の直前。ペロシ議長が握手しようと手を差し伸べればトランプ大統領はこれを無視!これにキレたペロシ議長も大統領の演説原稿を破り捨てる!

今年に入って本格化した米大統領選は一気にヒートアップしました。そんな中、民主党の大統領候補の行方も注目を集めています。

民主党の候補者を選ぶ初戦となったアイオワ州の予備選では、大方の予想を裏切って浮上したのがピート・ブティジェッジ氏

「世代交代」を強く訴える若干38歳ですが、11月の大統領選においてトランプ大統領と火花を散らすのは、このブティジェッジ氏となるはずです。

なぜ、ブティジェッジ氏なのか?

有権者目線で考えれば、明確な答えが出るかもしれません。
つまり、ブティジェッジ氏が大統領としての魅力があるというよりも(もちろん、魅力はあるのですが)、他の候補者が魅力に乏しいのではないか?ということです。

その意味では、”消去法的” にブティジェッジ氏が大統領候補に選ばれる可能性が高いと言えましょう。

さて、ここではブティジェッジ氏がいかなる人物であるかよりも、他の候補者がいかなる人物であるかを見ることにより、ブティジェッジ氏の姿を露出させることにしましょう。

バーニー・サンダース

確かに、政治家としては尊敬できるでしょうし、トランプのような横暴なことは絶対にやらないであろう、公正な人物だと思われます。

しかも、長きにわたり首尾一貫した主張を貫き通す政治姿勢は立派そのもので、サンダース氏が時代に合わせたというよりも、時代の方がようやくサンダース氏の主張に追いついてきたといった感があります。

彼は自らを「社会主義者」と称し、奨学金返済に苦しむ若者や貧困層から絶大な支持を集めています。社会資本を富裕層から一般の人々に還流させようとする政策は、日本で言えば「山本太郎」を彷彿とさせます。

正確には、山本太郎氏こそが日本版「バーニー・サンダース」なのでしょうが、いかんせんサンダース氏はあまりに年をとり過ぎました。

大きめのスーツに猫背な体形は、はつらつとしたビジュアルから程遠く、地方によくいる理屈っぽい不機嫌な老人といった印象は拭い切れません。アメリカ人に言わせれば「一緒にビールを飲みたい」タイプではないのです。

現在78歳である彼は、仮に大統領になったとしても最初の任期で80歳を超えてしまいます。世界のトップの中で、最もタフでなければならないのがアメリカ大統領ですから、現在の彼にはそれをこなすだけの余力はないでしょう(といった印象を持たれます)

エリザベス・ウォーレン

ウォーレン氏は努力家、そして苦労人だと確信しています。

ハーバード・ロー・スクールで教授を務めていた程ですから、頭脳もかなり明晰だと思われますが、彼女の ”頭の良さ” は、生い立ちからこれまでの人生を考えると凄まじい努力によって叩き上げてきたものだと想像できます。

その意味では、アメリカ大統領として尊敬に値しますし、若者たちの目標や手本となる人物といっても過言ではないでしょう。

彼女は思考過程は極めてロジカルです。物事の問題点を見いだし、その対策を考え、解決までの道のりを策定する能力に長けた人物。
そういった人物の特徴は「間違い」を「間違いのまま」では放置できないこと。

このことは長所として捉えられますが、政治の世界では得てして短所となります。それが、1月の討論会の直後「どうして私を ”嘘つき呼ばわり” するのか!?」と、サンダース氏に喰ってかかったことにも顕著に現れています。

ウォーレン氏とサンダース氏は共に左派的な政策を主張していますが、ウォーレン氏の残念な点は、そのような左派的政策を字面通りに実行しかねないことです。

ウォーレン氏の場合、「国務省」「司法省」「商務省」といった長官の任に就けば、大きな結果を出すことができるのではないでしょうか。

ジョー・バイデン

アメリカ人の大部分が「どうせ最後はバイデンが選ばれるだろう・・・」と思っている最中、オープニングでいきなり失速したのが民主党の重鎮、ジョー・バイデン氏です。

2月7日 AM10:00 現在においても、アイオワ州の予備選の結果は公表されていませんが、この時点で最下位に甘んじているのが何を隠そうバイデン氏です。

ブティジェッジ前サウスベンド市長:26.2%              
サンダース上院議員:26.1%
ウォーレン上院議員:18.2%
バイデン前副大統領:15.8%
※日本時間 2月6日 PM2:00 現在の途中経過

なぜ、アイオワ州の予備選がかくも重要なのかと言えば、過去のデータでは予備選で1,2位になった候補者が大統領になっており、それ以外の候補者で大統領に選ばれた者がほとんどいないためです。

バイデン氏については、やはり息子のハンター・バイデン氏のウクライナ企業、そして中国企業を巡る不正な利益供与疑惑が大きく影響しており、しかもこの疑惑にはジョー・バイデン氏本人も絡んでいるとの見方もされています。

ことの真偽は定かではありませんが、アメリカ国民は「結局、バイデン氏はエスタブリッシュメント側の人間である」”再確認” したに違いありません。

つまり、バイデン氏を選ぶということは「一部の富める者とそうでない大多数」といった従来の構図に先祖返りすることを意味しており、そして、これほど ”つまらない” 選挙は他にないのです。

誤解を恐れずあえて言いますが、アメリカでも日本でも、選挙というものは面白くなければ勝てません(面白可笑しいという意味ではないですよ)
オバマが初めて大統領になった時はとても面白かったし、トランプ VS ヒラリーの時など最高でした。しかめっ面して政策論争しても選挙では勝てないのです。

サンダース氏同様、最近のバイデン氏も「老けたな~」といった印象が拭い切れません。オバマ大統領のもとで副大統領をしていた頃の、クールでキレキレな印象はすっかり影を潜めてしまいました。

そんなバイデン氏は、トランプ大統領から ”Sleepy Joe(寝ぼけたジョー)” と馬鹿にされています。

ピート・ブティジェッジ

さて、最後にピート・ブティジェッジ氏に触れてみたいと思います。

弱冠38歳。──彼の強みは何と言ってもその「若さ」です。
これまで、選挙で選ばれた最年少の大統領はジョン・F・ケネディの43歳ですから、ブティジェッジ氏が晴れて大統領になれは最年少記録を更新することになります。

※ちなみに、大統領就任時の最年少記録は、セオドア・ルーズベルトの42歳です。彼は前任者のマッキンリー大統領の暗殺を受け、副大統領から昇格したため選挙では選ばれておりません。

ブティジェッジ氏は、政治経験が少ないことをよく指摘されています。彼はインディアナ州にある、人口10万人程度のサウスベンド市長を2期務めたに過ぎませんから。
この辺のところは、アメリカ上院議員を1期務めただけで大統領になってしまったオバマ大統領に類似しています。

彼はハーバード大学やイギリスのオックスフォード大学で学んだエリートですが、特筆すべきは「ローズ奨学金(Rhodes Scholarship)」を獲得していることです。

「ローズ奨学金」は、選抜されたオックスフォード大学の大学院生に与えられる奨学金ですが、これを獲得できたということはアメリカの政治家を初めとする有識者にとっては最高の称号を得たことになります。その意味でブティジェッジ氏は並のエリートではありません。

そのようなバックグラウンドを持ち、大学卒業後に就職したのが世界屈指の戦略系コンサルティング企業「マッキンゼー・アンド・カンパニー」であったことも興味深い経歴となりましょう。

その後彼はアメリカ海軍に入隊し、7カ月間ほどアフガニスタンにも従軍した経験があります。

こうしてみると、市長としての”実戦”経験、経済・経営に関する”実戦”経験、そして軍人として”実戦”経験を持つ彼は、政治家としての基本的な資質を高いレベルで保持している人物なわけです。

そのような人物を、しかも38歳という若い人材を、大統領候補として排除するようであれば「アメリカ人はバカだ」ということになります。

筆者は基本的にはアメリカ人の良識を信頼していますので、ブティジェッジ氏は大統領候補になれるものと確信しています。

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