Introduction:萩生田文科相の ”身の丈” 発言など、子供騙しのようなものです。文部科学省はもっと根深い大きな問題を抱えています。
それが「外国籍児童の不就学」問題。
実は、日本は世界4位の「移民大国」にまで成長しています。
今後さらに増えるだろう「学校に行かない外国籍の子供たち」が、成長した暁には何が起こるのか?
わざわざ説明する必要がありましょうか?
萩生田文科相の ”身の丈” 発言など子供騙しだ!
萩生田文科相の ”身の丈” 発言の発端になった、大学入学共通テストへの民間英語試験の導入はあまりに無理があると言う他なく、一般に言われているように受験生の経済格差、地域格差に全く配慮がない筋の悪い制度です。そして、そもそも民間の試験を大学受験の判定に加えても良いのか、といった根源的問題も忘れてはなりません。
その意味では、今回の文科大臣の失言によって延期といった、事実上の中止となったことは受験生にとって朗報と言えるでしょう。
今回は民間英語試験の導入をめぐり、受験生の「経済格差」「地域格差」などがクローズアップされましたが、実は、文科省の抱える受験以前の深刻で根深い問題が最近になって明らかになっているのです。
それは、日本国内にいる「外国籍児童の不就学の問題」です。
15.8% の子供が学校に通っていない
文部科学省は9月27日、「外国籍児童」の就学状況について初めて行った全国調査の結果を公表しました。
驚くべきことに、日本に暮らす義務教育年齢の外国籍児童「12万4,049人」のうち、「15.8%」に相当する「1万9,654人」が学校に通わない、いわゆる「不就学」の可能性があることが分かったのです。
文科相によれば、外国籍の児童が公立の学校に入学を希望した場合、「国際人権規約」なども踏まえ、入学することは可能であるといいます。その点については良心的とも言えるのですが、入学する義務はなく、入学状況を確認していない教育委員会もあるといいます。
つまり、外国籍児童については入学したければ許可するが、対象児童の実態についての調査は消極的であるようなのです。
なお、不就学児童は東京都が最も多く、その他にも多い都市部は下記の通りです。
- 東京都 :7,898人
- 神奈川県:2,288人
- 愛知県 :1,846人
- 横浜市 :1,675人
- 大阪市 :1,117人
ここで重要なのは、これらの数字を鵜呑みにしてはいけないということです。
移民大国ニッポンの素顔
これまでの日本は、国家の基本的な姿勢として、移民は受け入れないスタンスをとってきましたが、2018年になってから「技能実習生」という形で年数を区切って海外からの労働者を受け入れる姿勢に転じました。
しかし、現実的に厚労省の集計では既に「約128万人」もの外国人が日本で働いています(就労が認められているビザでの労働者数)
あまり知られてはいませんが、実は、日本は「世界4位の移民大国」になっているのです。
この衝撃的なニュースについて、例えば「西日本新聞」が次のように報じています。
人口減と少子高齢化による人手不足を背景に、日本で働く外国人が増え続ける中、経済協力開発機構(OECD)加盟35カ国の最新(2015年)の外国人移住者統計で、日本への流入者は前年比約5万5千人増の約39万人となり、前年の5位から韓国を抜いて4位に上昇した。OECDの国際移住データベースから判明。日本が事実上の「移民大国」であることが浮き彫りになった。日本語教育の推進など定住外国人の支援策が急がれる。
~2018.05.30 西日本新聞『「移民流入」日本4位に 15年39万人、5年で12万人増』~
つまり、日本には毎年約39万人もの移民が日本に流入し、韓国を抜いて今では世界4位の立派な ”移民大国” になっているというのです。もちろん、現在日本で暮らす移民の数は過去最高の水準に達しています。
さらに驚くべきは、「在留外国人」という観点で見れば、日本には「約247万人」の在留外国人がおり、これは日本の人口の約2%、名古屋市の人口に匹敵する数です。
◆日本における「移民」と「在留外国人」の違いは、ざっくり言うと・・・
・移民: 当初から永住・日本国籍取得を前提として日本に暮らす外国人
・在留外国人: 日本国籍を持たず、3ヶ月以上の在留期間の在留資格を持つ外国人
文科大臣の ”身の丈” 発言より深刻な問題
ことほど左様に日本には多くの移民、在留外国人が暮らしているわけですが、そのような現実を前提に先ほどの「外国籍児童の不就学問題」に戻りましょう。
文科相の調査で、「1万9,654人」もの外国籍児童が学校に通っていないことが分かりました。
果たして、この数字は今後は減るのでしょうか?
そんなことありますまい。減るどころか、今後益々増えてゆくと考えられます。
そして、 不就学児童「1万9,654人」という数字はあくまで氷山の一角でしかなく、移民や在留外国人の現実から照らし合わせると、実態はこの数倍、数十倍にも膨れ上がるのではないかと考えられるのです。
このような不就学児童が成長し生産年齢(15歳以上、65歳未満)に達しても、その大多数は日本に残留するでしょう。そのような彼らは就業、交友関係、そして恋愛関係に至るまで、間違いなく不利な立場に追いやられ、いわゆる ”下級国民” の階層を形成すると思われます。
日本のみならず海外においても、移民の増加に伴う治安悪化が叫ばれる昨今です。ヨーロッパでは中東からの移民を引き受けたことで、IS(イスラム国)に感化された一部の移民がテロに及んだことは周知の通りです。
日本ではこのようなテロの発生は海外ほど深刻ではないにせよ、看過できない問題を孕んでいることについては同じです。
今や世界4位の移民大国となった日本。
移民による治安悪化の懸念はいたし方ないにせよ、もっと根深い問題として、現在多数存在する「不就学児童」が成長し、 将来において日本の治安維持を揺るがしかねない存在となる可能性は否定できないのではないでしょうか。
文部科学省は ”身の丈” 発言などにぐらついている暇があるならば、外国籍児童の不就学について更なる調査を行い、早急に対応策を策定する必要があります。それが将来起こるであろう、外国人をめぐる治安悪化の一助にもなります。
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