日本はローマ教皇を招き入れる資格があったのだろうか?

Introduction:はるばる日本にやってきた際、長崎や広島の被爆地でスピーチを行ったローマ教皇。それは核兵器の使用はもとより、核兵器の抑止力についても痛烈な非難を与える、括弧たる信念の表れでした。

翻って、日本はどうでしょうか?
安倍首相は確かに、綺麗な言葉で立派なスピーチを行ったかもしれませんが、それはどのような信念に基づいたものだったのでしょうか?

これは、そもそも日本がローマ教皇を迎え入れるだけの資格があったのか?という話になります。

実は、日本は原爆投下を指揮したアメリカ軍人に対し、こともあろうに勲章を与えた過去があるのです。

過去を忘れたい日本政府、過去からの歴史で繋がるローマ教皇

この話を聞いて、耳の痛い思いをした日本の政治リーダーは多かったでしょう。いや、むしろどうか ”耳の痛い想いをして欲しい” と願うばかりです。

ローマ教皇は24日、被爆地となった広島から「戦争のために原子力を使用することは、犯罪以外の何ものでもないことを確信をもって申し上げる」とし、「原子力の戦争目的の使用は倫理に反し」よって、神の裁きを受けると断言しました。

そして、
「戦争のための最新鋭で強力な兵器を製造しながら、平和について話すことなどどうしてできるでしょうか。差別と憎悪の演説という役に立たない行為をいくらかするだけで自らを正当化しながら、どうして平和について話せるでしょうか」
と私たちに語りかけるのです。
これは明らかに日本に対する、これ以上ない痛烈な批判となっています。

これに対し、日本側はどのように答えたのか?
翌25日、首相官邸でローマ教皇を出迎えた安倍首相は「日本とバチカンは共に、平和、「核兵器のない世界」の実現、貧困撲滅、人権、環境等を重視するパートナーである」と話したのです。

「パートナー」だなんて、実に軽い表現です。
安倍首相にとっての原爆投下など、忘れてしまいたい遠い過去なのでしょうから、この辺が彼の限界かと思われます。
その反面、ローマ教皇は原爆の投下から現在の核兵器の拡散まで、それらを過去から現在に繋がっている人類の惨禍の歴史として捉えているだろうことが伺えます。

原爆投下の指揮者に勲章を与えた日本

ちなみにアメリカでは、原子爆弾の日本への投下については「原爆投下が終戦を早めた」とか「日本軍によるアジアの犠牲も少なくした」といったことが、21世紀の現在においても未だに広く信じられている側面があります。

しかし、本質的には国際法に抵触する可能性がある、戦争にかこつけた「無差別殺人」ではないか? といった疑問に国際社会は何と答えるのでしょうか。

ここに「カーチス・ルメイ」なる人物を紹介します。

アメリカの軍人で最終階級は空軍大将。1990年に亡くなりました。
当初は戦闘機のパイロットでしたが、後に爆撃機に転向。彼は様々な局面において活躍を見せましたが、最初に語るべきはやはり、爆撃機「B29」による日本本土爆撃でしょう。

彼は冷徹にして頑固者。異常なまでの好戦的性格は部下に対しても極めて厳しく、故に信頼も篤かった鉄壁の軍人です。彼は戦争に対して道徳観に苛まれることもなく、彼の念頭には常に国家からのミッションがあり、そもそも戦争とは道徳に反する行為であると自ら定義していました。

よって、日本への本土爆撃に対しても良心の呵責に苛まれることなく(多くの部下が少なからずためらいを感じていたにも関わらず)女性や子供を含めた一般市民を標的にすることであっても淡々とミッションをこなしていました。

人は ”皆殺しのルメイ” と呼んだ

カーチス・ルメイ
Photo by :U.S. AIR FORCE

東京大空襲では、これまでの爆撃機の編成に大胆な変更を加えるなどして大きな ”成果” を上げたカーチス・ルメイでしたが、そんな武勇伝を持つ彼を最も驚かせたのは、実は戦後に起こったあるエピソードではないかと思われます。

日本に原爆を投下したB29混成部隊を指揮したのがカーチス・ルメイであったにも関わらず、なんと日本はそんな人物に「勲一等旭日大綬章」を授与したのです。
つまり、カーチス・ルメイを叙勲しているのです。

この叙勲について熱心に動いたのが、当時防衛庁長官であった小泉純也です。
小泉純也と聞いてもピンとこないかもしれませんが、小泉純一郎の父親と言えばどうでしょうか?

カーチス・ルメイへの叙勲の理由は「日本の航空自衛隊育成の功績」と言われていますが、その根拠は極めて曖昧です。小泉純也は「功績と戦時の事情は別個に考えるもの」であるとの見解を示しましたが、到底納得できるものではありません。

日本というのは、ある意味恐ろしい国です。
戦後は憲法9条のもとに平和国家となり、日本政府は現在にいたるまで戦争によって一人の犠牲者も出してはいないと胸を張っています。

しかし、その一方で原爆による同胞の ”大量虐殺” に加担した人物を何ら恥じ入ることなく叙勲しているわけです。

そのような国が、果たしてローマ教皇フランシスコを自国に招き入れる資格など持ち合わせているのでしょうか?
ローマ教皇による被爆地でのスピーチは、そのような日本に対する強烈な非難だったように思えてなりません。

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