山本太郎は本当に都知事選に出馬するのか!?~これは山本太郎が用意した栄養ドリンクだ

Introduction:様々な思惑が錯綜する中、それでも山本太郎氏は都知事選には出馬しないと予想している。

なぜなら、今回無理して都知事選に出馬する理由もなければ、メリットもないからだ。

彼は国政を狙う以上、遅くとも来年夏には是が非でもやってくる衆院選に照準を定めればいい。そして、その場であらためて「小池百合子氏」と闘えばいい。

いずれにせよ、小池百合子氏は知事になっても途中で辞めるし、今回の山本太郎氏の動きには、彼なりの戦略が込められている。

判断は告示日の直前になる

とりあえず泡沫候補は脇に置いておく。
最初に声を上げたのが元日弁連会長・宇都宮健児氏であった。彼に続き立候補を表明したのが、東京では無名の新人だが日本維新の会の推薦を受けた小野泰輔氏。そして、最後に名乗りを上げたのが圧倒的な本命と目される現職、小池百合子氏である。

2020年の東京都知事選はこの3人によって争われ、その後に知名度だけはあるN国の立花孝志氏、ネトウヨ界隈での知名度を誇る桜井誠氏が続くものと思われた。

しかし、そこに登場したのが『れいわ新選組』の代表、山本太郎氏である。
山本氏は6月11日に記者会見を開き、都知事選への出馬を前向きに検討していると語った。このニュースは瞬く間に広がり、それでも 6/13 現在、出馬の可能性は「フィフティー(50%)」といった状態のままだ。最終判断は告示日の18日直前まで持ち越しそうである。

山本太郎は都知事選には出馬しない

それにしても不思議な話である。
なぜ、ここにきて山本太郎氏は都知事選への出馬に言及するようになったのか?

山本氏の支持者の間では「立候補には反対」という意見が半数以上占めているように思われる。やはり山本氏については、国政の場での活躍に期待を寄せる向きが多いためだろう。

また、現実的な選挙を考える者たちは一様に「もっと早く準備をしていれば、勝てる選挙ができたかもしれないのに・・・」と感じているようだ。確かに、これから選対を立てて準備をしてとなれば、かなりバタバタな選挙になること必至である。

そして、肝心のれいわ新選組内部でも、山本太郎氏の出馬については賛否が半々となり、結局は山本氏に出馬を一任するような格好になっている。

この期に及んでの山本太郎氏の都知事選出馬は無謀な賭けである。
普通に考えれば、立憲民主党・共産党・社民党の支援を取り付けた宇都宮健児氏と票の取り合いになり、盤石な小池陣営をさらに利する結果にしかならない。

山本太郎氏が先の参院選において、99万票に及ぶ個人名票を集めたのは皆が知るところだが、今回の都知事選において小池百合子氏は250万もの得票が予想されている。──これでは、どんなミラクルが起きようとも、山本氏が小池氏に勝つことはあり得ないし、山本氏は百も承知であるはずだ。

それでも選挙に打って出れば、山本氏は落選し、宇都宮氏も山本氏に票を食われ落選。小池氏が更にぶっちぎりの勝利を収めることになる。何の ”ドラマ” も見いだせない不毛な選挙だ。しかも、これまで積み上げてきた ”山本ブランド” にも傷がつくことになる。果たして、そんな真似を山本太郎氏がするだろうか?

つまり、今回の都知事選については、山本太郎氏は選挙に出馬するつもりはない、と考えた方が妥当なのだ。

れいわ新選組は ”三密” 政党だ。

2019年11月16日 福島県郡山市で行われた全国ツアーの模様(撮影:白坂和哉)

新型コロナ禍にあっては各政党の活動が思うに任せないのが現状で、特にれいわ新選組に至っては埋没感が避けられず、党首の山本太郎氏についても YouTube での配信がメインとなっている現状だ。

れいわ新選組の YouTube チャンネルから山本氏が発信する動画は、丁寧な作りで内容も充実している。
しかし、何かが違う気がする。山本太郎の空気感、熱気、匂いというものが伝わってこないのだ。

理由は、山本太郎氏率いる『れいわ新選組』は、”三密” に立脚する政党である、ということに見出すことができる。

つまり、街頭演説では自然と数多くの聴衆が集まり ”三密” を形成。山本氏の演説を聴く者は彼に熱狂し、その模様が間髪入れずに動画配信され、視聴者個々の熱狂を喚起する。その中の何割かはボランティアとなり、街頭演説に直接参画することで演説会は更に活況を呈する。

このような有権者を巻き込んでゆく ”三密スパイラル” こそがれいわ新選組、山本太郎氏の真骨頂だ。しかし、現在は新型コロナ禍によってこれが全くワークしていない。山本氏の動画は良くまとまっていて大変勉強になるにもかかわらず、今一つ ”三密スパイラル” か機能していないことで、支持者はむしろ渇望感を増幅させているかもしれない。

おそらく、れいわ新選組、山本太郎氏の支持者の多くは、今も「渇望している」はずなのだ。新型コロナ禍の中でどうすることもできない状況に苛立ちを覚えているはずなのだ。

山本太郎の戦略と栄養ドリンク

山本太郎氏は都知事選の告示日直前になって、きっとこう言うだろう。
「──今回は都知事選の出馬を見送ることにした。これからは宇都宮健児さんを応援する」と。

これにより、一つには野党共闘の形がどうにか実現することになる。
そして、もう一つは新型コロナ禍で渇望し、苛立ちを覚えるれいわ支持者らを安心させ、あらためてメッセージを送ることになる。
「──僕は宇都宮さんを応援することに頑張る。みんなも共に頑張ろう!」
これにより、『れいわ新選組』支持者を奮い立たせようと山本氏は考えている。

2014年の都知事選で98万票を獲得し、善戦した宇都宮氏。今回は立憲民主党の支援も受け、その得票は170万票に達するのではといった予想もある。そして、山本太郎氏がこうした形で宇都宮氏の応援に回ることで、宇都宮氏へのさらなる票の上積みが期待できるのではないか? さすれば都知事選の帰趨がまったく分からなくなる。

今回の山本氏の都知事選出馬の動きは、騒動を起こすことで野党共闘を印象付け、さらに『れいわ新選組』支持者へ「栄養ドリンク」を提供することにあるのではなかろうか?

山本太郎氏が、今回無理して都知事選に出馬する理由もなければ、メリットもない。彼は国政を狙う以上、遅くとも来年夏には是が非でもやってくる衆院選に照準を定めればいいのだ。しかし、新型コロナ禍の中で支持者のマインドはそこまで維持できるとは限らない。よって、途中で「栄養ドリンク」がどうしても一本必要になったのだ。それが今回の出馬騒動。

「──僕は宇都宮さんを応援することに頑張る。みんなも共に頑張ろう!」
これで『れいわ新選組』支持者が奮い立ち、ネットを中心に活動を先鋭化すれば今回の都知事選はどうなるか分からない。

ちなみに、小池百合子氏は今回の都知事選で勝利を収めたとしても、次の衆院選前に知事を辞職することになる。彼女は国政の返り咲きを狙っている。山本氏と小池氏は国政の場で闘えばよい。そうなった時の東京都知事は、もちろん宇都宮健児氏で決まりである。

【6/16追記】れいわ・山本代表、都知事選出馬を表明 五輪中止、10万円給付を公約

れいわ新選組の山本太郎代表(45)は15日、国会内で記者会見し、東京都知事選(18日告示、7月5日投開票)に出馬する意向を表明した。公約として、来年に延期された東京五輪・パラリンピックの中止や、全都民への10万円給付などを掲げる考えを示した。

2020年6月15日 JIJI.COM「れいわ・山本代表、都知事選出馬を表明 五輪中止、10万円給付を公約」

Last Updated on 2020-06-18 by この記事を書いた人:白坂和哉

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